「超時空要塞マクロス」 あらすじ

第1話「ブービー・トラップ」

西暦1999年7月、突如宇宙から異星人の宇宙戦艦らしき物体ASS−1(AlienStarship-1)が地球に飛来し、地上に甚大な被害をもたらしながら南アタリア島に落下した。この事件を契機に、地球統合政府の樹立が構想される。7年におよぶ反統合軍との統合戦争が終結し、すでに地球統合政府が設立されている西暦2009年から物語ははじまる。

ASS−1は人類の手によって修復され、2009年2月、地球統合軍宇宙艦隊所属SDF−1(Super Dimension Fortress-1 / 超時空要塞)マクロスとして晴れの進宙式をむかえた。式典のさなか、ASS−1のフォールド(超時空航行)反応を追跡して地球付近にあらわれた異星人(ゼントラーディ軍)の戦艦にたいしてマクロスの自動防衛プログラムが作動し、地球統合政府の思惑とは裏腹に主砲を発射、先導艦2隻を撃破する。この先制攻撃によって地球は、否応なしにゼントラーディ軍との交戦状態に突入する(第一次星間大戦)。

マクロス艦長ブルーノ・J.グローバル准将はマクロスの自動防衛プログラムを、ゼントラーディ軍の敵対勢力(監察軍)が仕掛けていった「ブービー・トラップ」だと見なし、宇宙戦争に巻きこまれたことを直感する。

ゼントラーディ軍は戦闘がはじまってすぐに、相手が監察軍ではないことを察知する。しかし地球側の宇宙空母アームド1(ARMD / Armanents Rigged-up Moving Deck / 武装化移動甲板)から発射されたミサイルが、ゼントラーディ軍にとってはまぼろしの存在であった反応兵器(核兵器)であったこと、それにくわえて地球人が、ゼントラーディ人にはすでに失われてしまった科学技術をもちいて監察軍の宇宙戦艦を修復したらしい事実を知って驚愕する。

民間人パイロットでエアレーサーの一条輝は、地球統合軍のエース・パイロット、ロイ・フォッカー少佐の招待をうけ、南アタリア島にマクロス進宙式の見物にやってきて騒動に巻きこまれる。

ぐうぜん展示スポットに飾られていた量産型可変戦闘機VF−1バルキリー(複座式VF−1D)の操縦席にすわっていた輝を正規パイロットだと勘ちがいしたマクロス主任航空管制官、早瀬未沙中尉は輝に発進命令を出す。戦場に送りこまれた輝は敵空戦ポッドに撃墜されてしまうが、バルキリーを航空機型(ファイター)から人型(バトロイド)に変形させることにより市街地へ不時着。九死に一生を得る。

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第2話「カウント・ダウン」

未沙の勘ちがいから、思いがけずバルキリーに乗って出撃、敵空戦ポッドに撃墜された輝が不時着したのは、市街地の「娘娘(にゃんにゃん)」という中華料理店の前だった。輝はそこで、横浜中華街の中華料理店「明謝楼(みんしゃろう)」の娘で、たまたま南アタリア島の叔父、叔母が経営する「娘娘」に遊びにきていた少女リン・ミンメイと出会う。

地球統合政府はゼントラーディ軍に対応するまでの時間をかせぐため、政治家をとおしてまだ艤装がすんでもいないマクロスに宇宙へ発進するよう圧力をかけてくる。マクロスはいったんは発進を試みるものの、重力制御システムのみが艦外へ放出されるというアクシデントにみまわれて地上に落下する。

ゼントラーディ軍は地球人が所有している反応兵器の存在と、修復改良の科学技術に興味をおぼえ、たんなる殲滅戦ではなくマクロスの捕獲作戦を仕掛けてくる。グラージ、リガートで編成された上陸部隊が、市街地でバルキリー隊と交戦する。

輝はフォッカーの助けを借りて、ミンメイを戦場から救出する。ところが戦闘のさなか、敵機から降りてきたゼントラーディ兵士のひとりに襲われ、敵が地球人によく似た容姿をしており、かつ体躯が7倍ちかくもある巨人であることを目撃する。輝は激しいショックをうける。

マクロスは上昇用ロケット・エンジンを使って南アタリア島を離れ、宇宙に向けて発進した。

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第3話「スペース・フォールド」

南アタリア島の市街戦で、ゼントラーディ兵士に襲われた恐怖から身動きできなくなってしまった輝はフォッカーに助けだされ、待機中の宇宙艦隊と合流するために地球をなかば追われるようにして発進したマクロスに到着、乗船する。

ゼントラーディ軍の圧倒的な攻撃力の前に、グローバル艦長は攻撃を回避するため敵の意表をつき、マクロスをふたたび地球に降下させて南アタリア島に着陸すると見せかけ、地表付近でフォールドを敢行する。

フォールド目標地点は月の裏側であったが、もともと監察軍のシステムであったフォールド航行の初試行は予想外の結果をもたらし、マクロスに近接していた南アタリア島とその周辺空域ごとマクロスを冥王星軌道のやや内側まで運んでしまう。しかもその直後、フォールド・システムは謎の消滅をとげる。

マクロス艦内に収容されていた愛機で、輝はミンメイとともに南アタリア島に帰還しようとするが、発進直後に作動したマクロスのフォールドに遭遇。マクロスや島の住民もろとも宇宙に跳ばされる。

一緒にフォールドしてきた敵の残存部隊とマクロスが戦闘をおこなっているさなか、輝は墜落したリガートの爆発によって生じた、マクロスの装甲部の破損箇所に機体を飛びこませ、ふたたび艦内にもどることに成功した。

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第4話「リン・ミンメイ」

マクロスとともに超空間転移してきた、南アタリア島の住民約5万数千人は艦内に収容された。グローバル艦長は宇宙空間を漂流する攻撃空母プロメテウス、強襲揚陸艦ダイダロスなどの戦艦をはじめ、フォールドしてきた南アタリア島のあらゆる物資をマクロスにとりこむよう指示する。避難住民はやがて、艦内に居住区を建設しはじめる。

一方、フォールドの影響をうけ、マクロスとともに冥王星軌道の宇宙空間にほうりだされた輝とミンメイの乗るファンレーサーは、戦闘のどさくさにまぎれて機体ごと艦内に飛びこみ、危機を脱したかにみえた。しかし、ふたりが飛びこんだところは無人の閉鎖区画だった。手持ちのわずかな食料を頼りに出口をもとめて探索を開始した輝とミンメイだったが、当初は容易だと思われた脱出がきわめて困難であることにやがて気づきはじめる。

漂流生活第7日には閉鎖区画内のエアロックから、べつのエアロックへ宇宙を遊泳をして移動、ほかの区画へ脱出するアイデアが輝によって発案・実行されたが、たまたま近くを浮遊していた巨大なマグロの頭を捕獲するにとどまり、さらにその際マグロの歯でパイロット・スーツを傷つけてしまったため、二度と宇宙へ出られなくなってしまう。

漂流生活は12日におよび、万策ついて悲観的になったミンメイは輝に一緒に死のうといって泣く。心をかよわせた輝とミンメイは唇をかさねようと寄りそうが、とつぜん天井をつき破って、頭上からゼントラーディ軍の不発弾が落下。ふたりは天井にあいた巨大な穴から、市民の手によってあっけなく救助された。

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第5話「トランス・フォーメーション」

マクロスの閉鎖区画から12日ぶりに救出された輝とミンメイ。輝はミンメイとともに、中華料理店「娘娘」に身を寄せる。

約2週間にわたる漂流生活のなかで輝はミンメイに好意をいだくようになっていたが、「一緒に死のう」とまでいったミンメイがそのことをまったくおぼえていないかのような無邪気な態度をとり、周囲に自分を「ただのお友だち」と発言しているのを耳にして混乱し、戸惑う。
輝はフォッカーから、地球統合軍への入隊をすすめられる。またミンメイからも飛行機の夢を追いつづけることを示唆され、ついには軍への志願・入隊を決意する。

フォールド・システムの消失事故によって、マクロスは主砲を発射するすべを失っていた。技師長の研究により、マクロスの船体を強攻型に変形(トランス・フォーメーション)させることによって主砲のエネルギー回路が確保され、主砲発射が可能になることは判明したが、トランス・フォーメーションは同時に、復興されつつある避難民居住区にも混乱をもたらすことを意味していた。

ゼントラーディ軍第118基幹艦隊(ボドル基幹艦隊)第67グリマル級分岐艦隊司令ブリタイ・クリダニクは地球における市街戦の記録映像を見た際、地球人がゼントラーディ人の約7分の1のサイズ(マイクローン)であることを知って驚愕する。ゼム一級記録参謀エキセドル・フォルモは、ゼントラーディ軍の古い記録に「マイクローンの住む星には手を出すな」と記されていることをひきあいに出し、以後、地球にはかかわらずにマクロスのみを追跡することを進言する。

マクロスのデフォールド座標をつきとめたブリタイ艦隊は追撃を開始。敵の先行艦隊の砲撃をうけ、危機感をつのらせたグローバル艦長はついにトランス・フォーメーションを決行、主砲ビームを発射して敵艦隊を撃退した。しかしかわりに、避難民居住区にも甚大な被害を残してしまった。

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第6話「ダイダロス・アタック」

マクロスは、フォールド航行の失敗によって跳ばされた冥王星軌道から地球に向けて帰還を開始した。フォールド・システム消失の影響でひずんだ時空連続帯に残存していたエネルギーを使って、局所的バリア(ピンポイント・バリア)の開発に成功、実戦配備する。
土星に到着したマクロスは氷塊のリング内で、はじめての反撃を試みる。

地球統合軍に志願、入隊した輝は1ヶ月におよぶ訓練をうけたのち、マクロス航空部隊VF−1バルキリー・スカル大隊に配属される。階級は軍曹。土星での奇襲作戦が、輝の初陣となった。出撃前夜、輝は好意をよせるミンメイを公園に呼びだすが、無邪気なミンメイは輝の気持ちを察することができず、輝も思いを告げることができない。

奇襲作戦の遂行中、ピンポイント・バリアの接続によってぎゃくに主砲ビームの発射に不具合を生じさせたマクロスは窮地にたたされる。しかし未沙の機転により、マクロス右舷のダイダロスの艦首部にピンポイント・バリアを集中させ敵艦に突撃。ダイダロスが敵艦の装甲をつらぬいた上で、艦首部に配置されたデストロイド部隊がミサイルを一斉射撃し、敵艦を内部から破壊する戦艦同士の白兵戦(ダイダロス・アタック)を敢行。敵艦を撃破し、ブリタイ艦隊に大きな打撃をあたえた。

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第7話「バイバイ・マルス」

ゼントラーディ軍はマクロスの捕獲を画策し、現在は閉鎖されている地球統合軍の火星基地サラに着目した。サラ基地から擬装の観測データを発信させ、マクロスの注意をひきつけた上で、たびかさなる攻撃によって地球への帰還コースを修正させ、火星方向に誘導しつつ、基地周辺にはマクロスの重力制御システムを封じこめる重力機雷と、戦闘ポッドの大軍を配備。マクロスに入念な待ちぶせ作戦を仕掛けてくる。

マクロスはサラ基地に着陸して補給物資を得るが、重力機雷の罠にはまって火星から浮上できなくなる。そこへあらたな敵、第118ボドル基幹艦隊第109分岐艦隊第7空間機甲師団長カムジン・クラヴシェラ(カムジン一家)以下戦闘ポッドの大軍が襲いかかり、危機に陥る。

一方、未沙は少女時代の初恋の相手で、統合戦争のとき反統合軍の攻撃によって戦死したライバー・フリューリンク少尉の面影を追い、単身サラ基地内にいた。グローバル艦長はサラ基地の地中に埋まった反応炉を暴走させ、敵の重力機雷を誘爆させる作戦行動を、唯一基地内にいた未沙に託す。

未沙は反応炉を暴走させ、基地から脱出する途中で、ぐうぜんライバーの部屋を見つける。部屋に入った未沙は、その場から動こうとしない。未沙の救出任務をまかされた輝は、救助をこばむ未沙を強引に連れだして脱出に成功。サラ基地の大爆発は予想どおり重力機雷を破壊し、マクロスは火星から離脱するとともに敵戦闘ポッド部隊にも多大な損害をあたえ、ゼントラーディ軍の作戦は失敗に終わる。

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第8話「ロンゲスト・バースデー」

2009年10月10日(土)、ミンメイは16歳の誕生日をむかえた。輝はおなじ日、とりわけ火星サラ基地における未沙の救出を評価されて、地球統合軍チタニウム章を受章し、少尉に昇進。新兵マクシミリアン・ジーナス(マックス)伍長と柿崎速雄伍長というふたりの部下をあたえられ、バルキリー・スカル大隊所属バーミリオン小隊長に就任した。

カムジンは飛行訓練といつわって部隊を移動させ、マクロスに陽動作戦を仕掛けてくる。敵部隊はマクロスの艦上にとりつきロボット同士の白兵戦に展開するが、ブリタイは軍紀を重んじ、勝手な行動をとったカムジンを強制的に退却させる。

戦闘から帰艦した輝は、結局のところ用意できなかった誕生日プレゼントのかわりに、ミンメイにチタニウム章を贈った。

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第9話「ミス・マクロス」

マクロス艦内に収容された約5万数千人にのぼる避難民の居住区は、軍部の配慮により人工的に朝夕の空模様までつくりだされるほど整備された。そんなおりMBS(Macross Broadcast System)マクロス放送局がテレビ放映を開始する。あわせて開局記念イベントとして「ミス・マクロス・コンテスト」を開催。候補者のひとりとなったミンメイは、ハリウッドの人気女優ジャニス・メリンをはじめ400名の応募者をおさえて女王の座を勝ちとる。

ゼントラーディ軍はマクロスのテレビ映像に興味を示し、第8強行偵察隊099(「青い風」)を通信傍受に向かわせる。「青い風」の兵士3名(ワレラ・ナンテス / ロリー・ドセル / コンダ・ブロムコ)は、傍受した「ミス・マクロス・コンテスト」の中継のなかで「男」と「女」がひとつ所にいる場面や、「女」の水着姿を見て衝撃をうける。それはゼントラーディ人にとっては想像を絶する、あるまじき光景だったからだ。

迎撃に出動した輝のVF−1Jアーマード・バルキリーは「青い風」と交戦し、偵察機を撃破。「青い風」は脱出には成功するものの、傍受した記録を持ちかえることはできなかった。戦闘で相撃ちとなり大破した機体のなかで、輝はミンメイが「ミス・マクロス」に選ばれたことを知る。

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第10話「ブラインド・ゲーム」

ゼントラーディ軍はマクロスの情報収集のため、分析サンプルとなるべき地球人の捕獲作戦に出る。艦隊による威嚇射撃のさなかカムジンの仕組んだ直撃弾をうけ、甚大な被害をこうむるとともにレーダーが使用不能になったマクロスは、偵察機による探査活動を遂行する。

未沙は危険な探査任務に志願。探査機には、輝ひきいるバーミリオン小隊が護衛についた。しかし探査隊はゼントラーディ軍の陽動作戦にはまり、未沙の搭乗する探査機は捕獲され、ノプティ・バガニス(ブリタイ艦)に収容されてしまう。バーミリオン小隊は未沙を奪還するためブリタイ艦内部に侵入。脱出を試みるが、ブリタイにはばまれる。

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第11話「ファースト・コンタクト」

マクロス艦外で偵察活動中、ゼントラーディ軍に拉致された未沙を奪還するため、ブリタイ艦にのりこんだ輝ひきいるバーミリオン小隊だったが、ブリタイの強靱な肉体と格闘能力の前にやぶれ、輝以下、未沙、柿崎の3名は捕虜となる。

長時間のフォールド航行の末、輝、未沙、柿崎はボドル基幹艦隊の中心部まで連れてゆかれ、司令長官ボドル・ザーと対面(ファースト・コンタクト)、尋問をうける。そこで捕虜3名は、惑星すら瞬時に殲滅させることのできる敵のきわめて強大な戦力を目のあたりにする。さらにゼントラーディ側には非戦闘員が存在しないこと、生きることがすなわち戦うことである戦闘種族であることなどを知る。反面、地球人にとってはあたりまえの男女の共存や、戦闘以外の文化的創造活動をいっさい有しない種族であるらしいこともあきらかになった。

未沙は尋問をうけながら、ゼントラーディ人にはない地球人の特別な力(内容は回を追ってあきらかになってゆく)をボドル・ザーらが恐れ、警戒し、それがマクロスや地球に殲滅戦を仕掛けてこない理由だと直感する。 男女の共存に関する尋問から発展して、なりゆき上、輝と未沙はボドル・ザーらの前でキスをしてみせる。男と女がひとつ所にいることすらありえないゼントラーディ側がうけた衝撃はきわめて大きく、驚愕したボドル・ザーが思わず口にしたのは、「文化」をもっていたとされる遠い先祖をさす言葉「プロトカルチャー」だった。

一方、バルキリーの機体ごとブリタイ艦外へ放出され、捕虜になることをまぬがれたマックスは再度ブリタイ艦内に潜入し、輝、未沙、柿崎の救出の好機をうかがっていた。

ちょうどおなじころ、マクロス艦内ではミンメイが歌手としてデビューし、トップ・アイドルとしての第一歩を踏みだした。

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第12話「ビッグ・エスケープ」

唯一捕虜となるのをまぬがれ、ブリタイ艦に潜入していたマックスは、輝、未沙、柿崎が監禁されている部屋をつきとめ、救出に成功する。しかしマックスの機体は破壊され、4名は脱出口をもとめて敵艦内をあてもなく徒歩で逃走せざるをえなくなった。
追われているうちに4名は輝と未沙、マックスと柿崎のふた手にわかれてしまう。

逃走中、輝と未沙は、ブリタイ艦内で巨人を地球人サイズに変換(ぎゃくに巨人化も可能)させるマイクローン装置を目撃する。未沙は捕らわれてからも、つぶさにマイクロビデオで敵の情報を記録していたが、あやうく敵兵に捕まりそうになったとき、ビデオ装置を手からとり落として壊してしまう。敵の銃撃をうけて、輝と未沙は橋架から落下する。

輝と未沙の落ちたところは、エンジンの冷却水が溜まってできた池だった。未沙は輝に、ゼントラーディ軍が監察軍を相手に優位に戦うためにマイクローン装置を使ってみずからの身体を巨人につくりかえていったこと、戦闘と破壊にあけくれたために整備・修復・改良などといった創造的科学技術や、「男女の関係」に代表される文化的、人間的な感情すら失われてしまったこと、「プロトカルチャー」とはゼントラーディ人が巨人化、戦闘種族化する前の先人文明をさす言葉なのではないかということなど、あとになって裏づけされてゆく的確な考察を話して聞かせる。

一方、ボドル・ザーは地球人を「プロトカルチャー」と見なして恐れると同時に興味をおぼえ、マクロスの内偵作戦をたてる。スパイに志願したのは、「青い風」3人組だった。またボドル・ザーは捕虜の逃走をゆるし、捕獲に手間どっている責任を重くみてブリタイを第一線からはずし、直衛艦隊司令ラプ・ラミズを後任にすえる。

輝と未沙は外部への連絡口を発見。ちょうどマックス、柿崎とも合流した。4名はスパイ潜入作戦のために出航準備中だったラプ・ラミズ艦隊の連絡船に潜入し、超空間転移の末、奇跡的にマクロスの航行する空域までもどってきた。4名はリガートを奪取して脱出。宇宙空間を漂流中にバルキリー隊に保護される。

ラプ・ラミズ艦隊所属第一空士長ミリア・ファリーナ(「エースのミリア」)はバルキリー隊を手玉にとり、単機でマクロスに接近、「青い風」3人組を乗せたカプセルをマクロス艦内に送りこむことに成功する。

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第13話「ブルー・ウインド」

マクロス市街地に潜入したマイクローン・スパイ「青い風」3名は、男女が共存する市民生活にはじめてふれ、戸惑い、強いカルチャー・ショックをうける。

マクロスに生還した輝、未沙、マックス、柿崎はそれぞれ昇進し、輝は中尉、未沙は大尉に、マックスと柿崎はともに少尉になった。4名はグローバル艦長と高官らに、捕虜となっているあいだに入手した情報をすべて報告するが、高官らは不信の眼を向ける。

グローバル艦長は半信半疑ながら、地球人を「プロトカルチャー」と見なして全面攻撃をためらっているゼントラーディ軍の隙に乗じ、マクロスを全力航行させ、間近にせまった地球に向けて敵包囲網の突破を決行する。

カムジンは軍上層部の消極的なふるまいに業を煮やし、命令にそむいてマクロスを追撃するが、ラプ・ラミズ艦隊の妨害にあって攻撃を断念せざるをえなくなる。敵の混乱に乗じてマクロスは包囲網を突破し、ついに太平洋上、鳥島沖に着水。フォールド事故からかぞえてじつに9ヶ月ぶりに地球への帰還をはたした。

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第14話「グローバル・レポート」

グローバル艦長は地球統合政府にたいする報告として、これまでの経過を説明した録音資料を作成していた。グローバル艦長の口から、進宙式から地球帰還までの9ヶ月間が語られる。

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第15話「チャイナ・タウン」

グローバル艦長と未沙はアラスカの地球統合軍総司令部におもむき、軍首脳部と面会する。進宙式から地球帰還にいたるこれまでの経緯を説明し、圧倒的な戦力を誇るゼントラーディ軍の実態について情報を提出した上で、敵軍との接触と停戦交渉をすすめるよう提案。それと同時に、マクロスの避難住民5万6千人の下船、受けいれをもとめた。
しかし強硬姿勢をとる軍首脳部はすべての要請を却下し、異星人と交戦中であるという未公表の事実を知る避難住民は、そのままマクロスとともに行動するよう強要される。

一方、特別上陸許可を得たミンメイは、輝につき添われて横浜中華街の両親のもとへ帰省する。そこでミンメイは、幼年時代から親しかった兄がわりの従兄リン・カイフンと再会。アイドル歌手としてデビューをはたしたミンメイはふたたびマクロスにもどろうとするが、両親の猛反対にあう。しかしカイフンがみずからミンメイとともにマクロスに乗船することを提案して両親の気持ちは軟化。
輝はミンメイとカイフンを連れてマクロス帰艦の途につく。

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第16話「カンフー・ダンディ」

長いあいだ行方不明だったカイフンが実家の「娘娘」にもどり、店内はお祝いでにぎわっていた。ところが艦内テレビ放送の臨時ニュースで、検疫を理由にマクロス市民の上陸許可がおりない事態が判明すると人びとは激怒し、ぐうぜんその場に居あわせた輝、未沙らに説明をもとめて詰めよる。
マックスが市民のひとりを殴りたおしたことをきっかけに店内は乱闘になり、輝、マックス、カイフンが巻きこまれる。殴りあいは制したものの、3名はそれぞれに負傷する。カイフンばかりを気づかうミンメイの態度に、輝の心中はおだやかではない。

未沙はライバー少尉とよく似ているカイフンを見て動揺する。それとともに徹底的な反戦主義者であるカイフンに戦争がもたらすものは破壊だけだと突っぱねられ、未沙が軍人であることを理由に、差しだしたハンカチまで拒否されて大きなショックをうける。

一方、カムジンは命令を無視して突撃艦で地球に降下、マクロスを攻撃する。ラプ・ラミズにいさめられたカムジンは退却するが、去りぎわにマクロスめがけて戦艦を特攻させる。
軍人を完全否定するカイフンの強い態度にショックをうけ、いちじるしく集中力を欠いた未沙はダイダロス・アタック発動のタイミングを誤り、マクロスを危険にさらすと同時に敵艦装甲を突きぬけたダイダロス艦首から発射されたミサイルで、輝を被弾させてしまう。
輝は深手を負い、病院に搬送される。

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第17話「ファンタズム」

太平洋上、鳥島沖マクロス防衛戦で被弾、撃墜されて負傷した輝は、搬送された病院の一室で悪夢を見ていた。それはゼントラーディ軍に拉致されたミンメイを救いだすために出撃しては、そのたびに失敗し、人びとの笑い者になるという内容。

ブリタイだと思っていた敵司令官はじつはカイフンであり、輝は軍服を破りすて、軍人をやめると宣言してカイフンからミンメイを奪いかえす。逃げこんだマクロス閉鎖区画内でミンメイと唇をかさねようとした瞬間、相手は未沙に入れかわり、「結局、あなたも軍人なのよ…」と告げられるところで夢からさめる。

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第18話「パイン・サラダ」

入院中の輝は、しだいに遠い存在になってゆくミンメイのことを考えて気を滅入らせていた。フォッカーは輝を元気づけようと、カンフー映画「小白竜」(シャオ・パイ・ロン)を撮影中のミンメイをおとずれ、見舞いに行ってくれるよう頼む。
ミンメイは約束どおり輝の病室をたずねるものの、見舞いもそこそこに腰をおろしたベッドの端で眠りこんでしまう。輝はふたりの距離がますます離れてゆくことを知るだけだった。

カムジンから「マクロスにすご腕がひとりいる」と聞かされたミリアは興味をいだき、その相手との一騎打ちをのぞんでマクロスに攻撃を仕掛けてくる。一騎打ちの相手をマックスに見さだめたミリアは勝負をいどむが、ぎゃくにマックスに撃退され、はじめての敗北を味わう。

戦闘中、前線で指揮をとっていたフォッカーは不意の攻撃をうけて被弾し、致命傷を負う。しかし愛機VF−1Sバルキリー「ロイ・フォッカー・スペシャル」とともに自力で帰艦し、マクロスの航法火器管制主任で、恋人のクローディア・ラサールの部屋でギターをつま弾きつつ、パイン・サラダができあがるのを待ちながら息絶えた。

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第19話「バースト・ポイント」

グローバル艦長は都市上空でマクロスを低空飛行させ、民間人の受けいれを拒みつづける地球統合軍総司令部にたいする示威行動に出る。
北アメリカのオンタリオ自治政府はマクロスの苦境をかんがみ、民間人の受けいれを打診。マクロスはオンタリオ自治区に進路をとる。

しかしマクロスは、オンタリオ自治区に到着したところでふたたびカムジン艦隊の強襲にあう。新開発の全方位バリアで敵艦隊の砲撃に対抗するものの、制御不能に陥ったバリア・エネルギーが暴走、膨張をはじめ、巨大な衝撃波となってカムジン艦隊のみならず地上の都市や、戦闘中の友軍すべてを飲みこむ事態をひき起こした。

敵艦隊は消滅。しかし逃げおくれた柿崎は機体もろとも爆死。地上はマクロスを中心とした直径50キロ以上にわたって壊滅し、マクロスはオンタリオ自治政府から民間人の上陸を拒否される。

そのころミンメイは過労で入院し、病室から輝に見舞いに来ないかと誘う電話を入れる。しかし柿崎が戦死した直後の輝にとっては、ミンメイの無邪気な態度はつらいものでしかなかった。輝は無言で、一方的に電話を切る。

一方、はじめて敗北を喫したミリアは、自分に屈辱を味わわせたパイロット(マックス)と再度対決するためマイクローン・スパイに志願し、戦闘の混乱にまぎれてマクロス内部に侵入する。

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第20話「パラダイス・ロスト」

マクロスの全方位バリア暴走の記録映像を見て、それを強力な新兵器と勘ちがいしたボドル・ザーは、友軍の苦戦をかんがみて再度ブリタイを地球に派遣することを決める。ブリタイは1200隻からなる大艦隊(アドクラス艦隊)をひき連れ、前線に復帰した。

「青い風」3人組はマクロスの諜報活動を終え、ミンメイ人形をはじめとする「文化」を象徴するさまざまな品と情報をたずさえてブリタイ艦に帰艦する。「青い風」の持ちかえっためずらしい品々と情報は、下級兵士のあいだにすぐに広まってゆく。

マクロスは、もはや地球統合政府にとって厄介者以外のなにものでもなかった。地球統合軍総司令部はマクロスに地球外域出撃命令をくだす。マクロスは艦内に民間人5万6千人をかかえたまま、なかば追放されるようにふたたび宇宙に発進してゆく。

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第21話「ミクロ・コスモス」

カンフー映画「小白竜」が完成し、輝は公開初日に映画館に足をはこぶ。しかし作中、主人公役のカイフンとヒロインであるミンメイがくちづけをかわす場面を見ていたたまれなくなり、映画が終わる前に会場から出てきてしまう。そこへぐうぜん、カイフンにライバーの面影をもとめて映画を見にきて、輝とおなじように映画の途中で退席してきた未沙と行きあわせる。

おりしも敵襲があり、マクロスは緊急のトランス・フォーメーションをおこなう。変形によって袋小路となった市街地の一角にとり残された輝と未沙は、閉じこめられた一時、おたがいの心情を語りあう。

戦闘が終わり、袋小路から開放された輝は職務にもどろうとするが、未沙はもうしばらく自分といてくれるよう輝をひきとめる。

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第22話「ラブ・コンサート」

ボドル・ザーは地球人を「プロトカルチャー」と断定し、ゼントラーディ軍全体にとってきわめて危険な存在と位置づけた上で、殲滅戦を仕掛ける前に分析用のマイクローンのサンプルをふたたび捕らえるようブリタイに指令を出す。
ブリタイは旗艦ノプティ・バガニスをマクロスに突撃させてダイダロス・アタックを誘い、ぎゃくにダイダロス艦首部から戦闘ポッドをマクロス内に侵攻させる捨て身の捕獲作戦を決行。計略は成功し、リガート部隊の侵入をゆるしたマクロス艦内は大混乱におちいり、市街地は戦場と化す。

一方、ブリタイ艦内では、「青い風」3人組が自慢げに話して聞かせる「文化」の魅力が着実に兵士たちのあいだに浸透し、ついには投降してマクロスに住みたいといいだす者さえあらわれていた。「青い風」3人組を中心とした投降者グループはマイクローン装置を使ってみずからを地球人サイズに変換し、マクロス侵入作戦に乗じて艦内に潜入することに成功する。

ゼントラーディ軍のマクロス捕獲作戦中におこなわれていたミンメイのコンサートは、市街戦になってからも、教条的な反戦主義者カイフンの強い主張によって続行されていた。ながれ弾の爆発で落下したスポット・ライトからミンメイをかばって、カイフンは負傷する。
輝はミンメイの身を案じ、バルキリーを駆ってコンサート会場をめざしていた。

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第23話「ドロップ・アウト」

いつしかカイフンは、幼なじみのミンメイを兄がわりとしてではなく、ひとりの女性として愛するようになっていた。無人と化したコンサート会場の片隅でカイフンは、自分の怪我を介抱するミンメイにくちづけして思いを伝える。ちょうどコンサート会場に到着した輝は、ふたりのキスの現場を目撃して大きなショックをうける。

市街地に侵入し、「文化」を目のあたりにしたゼントラーディ兵士らにしだいに変化があらわれる。とくにミンメイを目撃した者の話を聞くと、これまではたんなる夢物語でしかなかった「文化」がほんとうに実在することを知って、兵士たちはつぎつぎに破壊活動を拒否、戦意を喪失させて敵前逃亡をはじめる。逆上したカムジンは逃げる部下たちを撃墜してゆくが、もはやゼントラーディ軍の混乱はおさまりようがなかった。
ブリタイはとうとう作戦中止を命じる。

侵入作戦に乗じてマクロス艦内に潜伏した「青い風」3人組をはじめとする23名の逃亡兵士は亡命を希望。分析の結果、地球人とゼントラーディ人はおなじ遺伝子構造をもつ同一種族であることが判明した上、じっさいにゼントラーディ人と接触した経験をもつ輝、未沙、マックスは亡命者を受けいれるべきとの肯定的な意見をのべ、ついにグローバル艦長は亡命許可を出す。

ゼントラーディ人が戦闘を放棄し、亡命をのぞんだ理由が、かれらが「文化」にたいして魅力を感じ、地球人の生活にあこがれたゆえと知った未沙は、ゼントラーディ人との共存の可能性と戦争終結の糸口をつかむ。
未沙はグローバル艦長にふたたび地球統合軍総司令部におもむき、ゼントラーディ人に戦うこと以外の生きかたを教えることによって和解、共存できることを軍首脳部に説明し、停戦に向けて方針転換するよう説得したい、と申しでる。

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第24話「グッバイ・ガール」

未沙はグローバル艦長の許可を得て、地球統合軍首脳部を和平に向けて説得するため連絡シャトルで発進する。しかし途中で、カムジンの戦闘ポッド部隊60機の襲撃にあう。マックスひきいる護衛中隊が応戦するが、戦力差が大きくシャトルに危険がせまる。

ファースト・パック付バルキリー(スーパー・バルキリー)で救援に急行した輝の活躍で、敵部隊は排除される。シャトルが大気圏に突入するまでのみじかいひと時、輝と未沙は通信機をつうじて言葉をかわす。輝は離脱前にシグナルで、説得の成功とマクロスへの無事帰艦を祈る旨、未沙に伝える。涙ぐむ未沙。

未沙のもたらした資料によって、地球人とゼントラーディ人がほとんど同一種族であることが確認され、早瀬提督はじめ地球統合軍首脳部は和平をすすめる方向に傾いたかにみえた。しかし喜びもつかの間、未沙は交渉がおこなわれるのはグランド・キャノンでゼントラーディ軍に打撃をあたえたあとだということを知って愕然とする。

未沙が地球に降りてから、輝は元気がなかった。見かねたマックスが気ばらしに、輝をゲーム・センターへ誘う。そこで賞金稼ぎをしていたミリアに出会ったマックスは、対戦型ゲームで勝負を申しこむ。マックスは再度ミリアを負かした上、デートの約束をとりつけた。

テレビの芸能ニュースでは、市街戦で負傷したカイフンとつきっきりで看護するミンメイの仲が話題になっていた。芸能レポーターに仲をたずねられたカイフンは、自分は結婚を前提としてミンメイと接していると発言。ミンメイをはじめ、周囲を驚かせる。
テレビを見ていた輝は、ふたたびミンメイの口から自分のことを「たんなるお友だち」だと発言された上、カイフンの結婚宣言を聞かされて二重の打撃をうける。

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第25話「バージン・ロード」

一対一の空中戦につづき対戦型ゲームでも敗北を喫したミリアは、懐中に短剣をしのばせ、再会を約束した夜の公園でマックスに襲いかかる。しかし短剣で激しくわたりあった末にミリアは、格闘戦でもマックスに勝てないことを思いしらされる。涙をながしながら「殺せ」と訴えるミリアに、マックスはやさしい抱擁とくちづけでこたえる。

グローバル艦長が仲人役となり、史上初となるマックスとミリアの星間結婚が実現する。結婚披露宴の模様はテレビ中継され、その場でグローバル艦長はゼントラーディ人の亡命者を受けいれることを正式に表明し、さらに平和をもたらすために必要なのは両軍の全面戦争ではなく、地球人とゼントラーディ人との共存、共生なのだと強く訴える。

結婚披露宴のテレビ中継を見たブリタイは、地球人が敵であるミリアを受けいれ、結婚を祝福すらしている様子をいぶかしがると同時に感心してもいた。エキセドルは、地球人の示した行為は社会生活になくてはならない人の心、すなわち「愛」によるものだと教える。

マクロス捕獲作戦のたびかさなる失敗、前線兵士たちの混乱と亡命行動、地球人とゼントラーディ人との星間結婚に危機感をつのらせたボドル・ザーは、ついにマクロスと地球に基幹艦隊による総攻撃をかける決定をくだす。ブリタイ艦隊にはマクロス殲滅の命令が発せられたが、多数の戦艦で出撃を拒否、上官に銃を向けて反乱をおこす兵士が続出する。
ブリタイは戦闘を中止させ、マクロスと独自に停戦交渉をおこなう決心をした。

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第26話「メッセンジャー」

停戦使節として、エキセドルがマクロスに向かう。交渉の場には地球人とゼントラーディ人をともに知る人物である輝、マックス、ミリア、さらに亡命の主導者「青い風」3人組のほか、エキセドルが超能力者と勘ちがいしたカイフンや、心理攻撃(歌)の中核と見なされたミンメイも招集された。

ブリタイ艦隊が単独でマクロスと停戦交渉におよんだことは、ラプ・ラミズによってボドル・ザーに報告されたが、ブリタイは総攻撃に動きはじめたボドル基幹艦隊が地球やマクロスのみならず、「文化」に汚染された自分たちをも消去するつもりだとラプ・ラミズをさとす。ラプ・ラミズは観念し、ブリタイとともにマクロスと共同戦線をはることを決める一方、カムジンは軍務を放棄、艦隊から離脱する。

約500万隻を擁する大艦隊といえども、上位3ランクまでの重戦闘艦にまとをしぼって攻撃することで展望がひらけるかもしれないと説明したエキセドルは、グローバル艦長とかたく握手をかわして、共通の敵に協力して立ちむかうことを約束する。
エキセドルはさらに、ゼントラーディ人を根底からくつがえす原因となったミンメイの歌を聴きたがる。ミンメイは停戦交渉の席上で、「私の彼はパイロット」を歌う。

地球統合軍総司令部の一管制官に配置がえとなった未沙は、最高司令官である父親の力を頼ってマクロスにもどれるよう早瀬提督に働きかけるが、ひとり娘をむざむざと死地に行かせるわけにはゆかないと断固拒否される。

ボドル基幹艦隊はぞくぞくと地球の周辺宙域にデフォールドし、その圧倒的な戦力を見て人びとは息をのんだ。

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第27話「愛は流れる」

ボドル基幹艦隊は、デフォールド直後に地球へ向けて一斉射撃を開始。一瞬のうちに地上は破壊され、全土が壊滅する。第一波攻撃で生きのこったアラスカの地球統合軍総司令部はグランド・キャノンを発射して反撃するが、膨大な敵艦隊の一部を消滅させるにとどまる。

最終決戦を前に死を覚悟した輝はミンメイにこれまでの思いを告白し、わかれを告げて戦いにおもむく。あとを追いかけてきたミンメイに、輝はみんなのために戦場で歌ってくれるよう頼む。ミンメイはわかれのしるしに、輝とくちびるをかさねる。

輝の発案をもとに歌による心理攻撃(リン・ミンメイ作戦)が開始され、カイフンとのキス行為をまじえながら歌うミンメイの姿を見せられた基幹艦隊の兵士たちは動揺し、一時的に戦闘不能に陥る。グランド・キャノンによってひらかれた宙域をとおって、マクロスおよびブリタイ艦隊がボドル旗艦(フルブス・バレンス)めざして侵攻する。
グローバル艦長はボドル旗艦にマクロス本体を突撃させ、全反応弾の一斉射撃によって敵を内部から破壊する「マクロス・アタック」を決行。ボドル・ザーを倒し、フルブス・バレンスを撃沈する。

一方、一条機は戦闘中にミサイルをうけて大破。ふたたびマクロスへもどることをあきらめた輝は単機で大気圏をぬけ、焦土と化した地上に降りたつ。そのとき通信機に入ってきたのは、全滅したはずの地球統合軍総司令部で、必死に生存者の応答を呼びかける未沙の声だった。

すぐにアラスカに向かった輝は未沙を総司令部から救いだし、喜びの再会をはたす。マクロスの安否を心配するふたりの耳に、かすかにミンメイの歌が聴こえてくる。朝日をあびながらボロボロになったマクロスが地球に降下してくる。
輝と未沙は身を寄せあい、手をかさねあわせつつ、マクロスに向かって飛んでいった。

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第28話「マイ・アルバム」

ゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊を破った戦闘から、約2年後の地球。わずかに生きのこった地球人とゼントラーディ人は共生し、新政府(新地球統合政府)を設立。ほぼ全滅状態だった地球の復興にはげんでいた。マクロスの着陸地点を中心に市街地(マクロス・シティ)が建設され、自然再生計画が推進されている。

グローバル艦長は新地球統合軍の総司令に就任し、輝は大尉となってバルキリー・パトロール隊の隊長に着任、未沙は少佐に昇進してマクロス・シティ司令センターの責任者となっている。

パトロール中の輝は付近のグランテ・シティに巡業中のミンメイが来ていることを知り、およそ1年ぶりに会いに出かける。しかしコンサートのあと輝は、ミンメイとカイフンが険悪な様子でいい争っているのを目撃して声をかけるタイミングを逸してしまう。

郵便受けに入った鍵を使って輝の家に自由に出入りし、非番のときなどは料理や掃除などをして帰るようになっていた未沙は、輝の部屋でミンメイの写真ばかりをおさめたアルバムを見つけて心をみだす。未沙の輝への思いは、長女コミリアを抱いて仲睦まじく街を歩くマックス・ミリア夫妻に輝と自分の姿を思いかさねるほどに強くなっていた。
未沙は輝の部屋に飾られたミンメイのポスターをわざと逆さまに貼りかえたり、輝に自分の写真をわたしてアピールするが、輝はいっこうに未沙の心を察しない。

一方、市民生活になじめないゼントラーディ人が、各地で騒ぎをおこしはじめていた。ビヨン・シティではゼントラーディ人3名がリガートを奪って、街を破壊する事件をおこす。暴動はすぐさま輝ひきいるパトロール隊によって鎮圧されたが、不穏な火種は各地にひろがっていた。

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第29話「ロンリー・ソング」

各都市を巡業してまわるミンメイの人気に、かげりが見えはじめていた。思いどおりにゆかない現実を直視せず、すべての責任を軍隊や軍人に転嫁してイライラを募らせているカイフンからもしだいに心が離れ、同時にみずからの歌う意味や目的に悩んだミンメイは、たびたび輝のことを思いだしていた。疲れたミンメイは、一夜だけマクロス・シティの「娘娘」に帰ってくる。

一方、現状に不満をいだくゼントラーディ人の数は日ましに増えつづけていた。極寒の地に埋もれた戦艦のなかでラプ・ラミズらとともに潜伏していたカムジンは、はぐれ者となった同胞を呼びあつめてくるよう部下たちに号令をかける。

ミンメイが帰省した翌早朝、ジョギングをかねてマクロス・シティの見まわりをしていた輝は、街の不穏な空気を心配して散歩していた未沙と出会う。街に出ていたミンメイは輝と未沙が親しげに連れだって歩く姿を目撃して、とっさにその場を走りさる。輝は逃げてゆくミンメイに気づいてあとを追うが、街路の角で行方を見失った。

ちょうどそのとき街を脱走するゼントラーディ人2名が騒ぎを起こし、デストロイド隊が出動。輝はゼントラーディ人に話しあおうと呼びかけるとともに、デストロイド隊にたいしては身をはって発砲を制止する。しかしかつてのゼントラーディ軍にもどって闘いたいと希望する脱落者と輝のあいだには、話の折りあう余地はなかった。

エキセドルを中心とした研究チームは、地球人とゼントラーディ人がプロトカルチャーの子孫であることにまちがいないと結論づけた。さらに両者にとりわけ共通している特徴として、好戦性をあげる。
グローバル総司令は、地球人がまちがった道をすすめばゼントラーディ人のような戦闘種族化することもありうることを憂慮しながらも、いつまた外敵の脅威にさらされるかもしれない地球の防衛強化にのりだし、ゼントラーディ軍の自動宇宙船製造工場衛星を奪取するため輝、未沙らを招集する。

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第30話「ビバ・マリア」

軍備増強のため、ゼントラーディ軍の自動宇宙船製造工場衛星の奪取作戦が遂行された。輝、マックス、ミリアなどで編成されたバルキリー隊と、未沙、クローディア、エキセドルが乗るシャトルは地球ちかくに停泊中のブリタイ艦と合流し、数回にわたるフォールド航行をおこなって工場衛星をめざした。

長距離転移のあいだ、マックス・ミリア夫妻の部屋ではホームパーティーがひらかれる。うれしそうにコミリアを抱いて、赤ん坊好きな一面を見せる未沙。

ホームパーティー後に未沙の部屋へお茶に誘われた輝は、未沙から聞きたいことがあると話を切りだされる。しかし未沙がいいよどんでいるうちに招集がかかり、未沙は輝を部屋においてそそくさと出ていってしまった。

工場衛星を守備するゼントラーディ軍にたいし、ブリタイはまず降伏を勧告する。敵にカルチャー・ショックをあたえるために、ミンメイの歌が発信される。ブリッジに呼ばれた輝は未沙とのくちづけを要求されて戸惑うが、未沙は上官命令だといって強引に輝にせまり、キスしてみせる。
しかしもっともゼントラーディ兵士たちにショックをあたえたのは、敵旗艦に突入したマックス・ミリア夫妻が抱きあげた長女コミリアの存在だった。

混乱したゼントラーディ軍は同士討ちをはじめ、あっさりブリタイ艦に掃討される。奪取作戦は成功し、部隊は工場衛星とともに地球に帰還した。

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第31話「サタン・ドール」

トラッド・シティで暴動が発生。暴徒化したゼントラーディ人たちはマイクローン装置を奪って逃走するが、途中で輝ひきいるパトロール隊に阻止される。

輝はマイクローン装置を標的に武装集団がふたたび襲撃してくることを懸念して、装置をマクロス・シティに移送し、軍の管理下におくよう主張する。しかしたまたまコンサートの打ちあわせでトラッド・シティをおとずれていたカイフンが、軍部のいいなりになってはならないと市長や民衆を扇動したため、輝は民衆の抵抗にあい、マイクローン装置を街に残したまま引きさがらざるをえなかった。

武装化に向けてなんとしてもマイクローン装置を手に入れたいカムジンは、部隊をひき連れてトラッド・シティを攻撃する。連絡をうけた輝が駆けつけたときにはすでに街は破壊され、マイクローン装置は奪われたあとだった。
ミンメイは、保安のためにマイクローン装置の移送を主張した輝の正しさを、なぜその場にいた自分が応援してあげられなかったのか悔やむ。

ふたたびエキセドルによって、ゼントラーディ人の出自について研究報告がなされた。それは50万年以上もむかしに繁栄した「プロトカルチャー」と呼ばれる一大宇宙文明が、あるとき勢力をふたつに分裂させて闘争をはじめたとき、遺伝子操作によって戦闘用に人工的につくりだした種族こそがゼントラーディ軍と監察軍だという見解だった。エキセドルは戦争からのがれられない運命を背負わされたみずからの種族を「悪魔の人形」と評し、同時におなじ遺伝子構造をもつ地球人たちの行く末についても悲観的に語る。

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第32話「ブロークン・ハート」

各地に点在する都市から脱落したゼントラーディ人を誘いあつめ、奪取したマイクローン装置で巨大化させることに成功したカムジンは、こんどはコンサート中のミンメイを襲撃してカイフンとともに人質にとった上、新地球統合政府にたいして戦艦のひきわたしを要求してきた。

捕らわれたミンメイは歌を歌ってカムジンを動揺させ、脱出を試みるが、カムジンからはもはや歌に驚くほどウブじゃないと嘲笑される。さらにゼントラーディ人はミンメイの歌に感動したのではなく、たんにものめずらしかっただけだと愚弄され、ぎゃくに大きなショックをうける。

ミンメイが人質にとられたと聞いてあからさまに動揺する輝に嫉妬した未沙はつい感情的になり、たびたび冷たくあたっては輝と口論になる。しかし輝は未沙の本心に気づかない。

未沙を指揮官とする輝のバルキリー隊は、脱落者を装ったゼントラーディ人をおとりにしてカムジンを包囲網に誘いだす罠を仕掛けるとともに、人質の監禁されているコンサート・ホールの防備があまくなった隙をついて奇襲をかけ、ねらいどおりミンメイとカイフンを救出する。

無事をよろこんで抱きあう輝とミンメイ。しかしふたりの仲をひき裂くように、未沙は輝に、敗走したカムジンの追撃隊にくわわるよう命じる。飛びたってゆく輝を見おくりながらミンメイは、いまなら自分を好きだといってくれた2年前の輝の気持ちにこたえられると確信する。

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第33話「レイニー・ナイト」

輝を前にすると素直になれない未沙は、嫉妬からたびたび輝につらくあたる自分を思って自己嫌悪していた。クローディアは思いなやむ未沙にたまたま手に入った高級紅茶を差しいれ、これをきっかけに仲なおりするようにとアドバイスする。

しかしミンメイとのひさしぶりの再会を邪魔された輝の腹だちはおさまらず、喧嘩腰の輝にたいして未沙も腹をたてて、あやまるきっかけをのがしてしまう。

その日の夜、マクロス・シティには雨が降っていた。輝の部屋の前で雨に濡れて立ちすくんでいる未沙を見かけたクローディアは家に未沙を誘い、フォッカーとの出会いや、剛胆な言動のうらに隠されたフォッカーの繊細な一面などを話して聞かせる。

ぐうぜんにヴァネッサの口から、未沙の輝にたいする気持ちを聞かされてはじめて、輝はそれまで奇妙に思えた未沙のいちいちの行動が腑におちる。未沙をさがしてクローディアの家に行きついた輝は、未沙とともに雨のなかを歩いて帰る。

いいすぎたとあやまる輝。未沙は昼間はいいだせなかった紅茶のことを話して、輝をお茶に誘う。ふたりは連れだって輝の家へ歩いてゆく。

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第34話「プライベート・タイム」

休暇の日、輝に森林公園へのピクニックに誘われた未沙は、その朝、心を浮きたたせてお弁当のサンドイッチを準備していた。しかし輝は、きゅうに会いたいといって電話をかけてきたミンメイの誘いを断りきれず、「(マクロス・シティにいる)約束の人とはいつでも会えるじゃないの」という言葉にほだされ、未沙との約束を反故にしてミンメイとの待ちあわせ場所に向かう。
はじめ輝は未沙に電話をしてデートの約束をキャンセルするつもりだったが、すでに家を出たあとだった未沙には連絡のつけようがなくなってしまった。

ハイランダー・シティのレストランで、未沙のことを気にかけながら輝はミンメイと2年ぶりにふたりだけの時間をすごす。ミンメイは人質から救出してくれたお礼に、輝に白いロング・マフラーをプレゼントする。そのとき輝は気づかなかったが、マフラーの一端には輝とミンメイのイニシャルが縫いこんであった。
さらにミンメイは、かつて自分を思ってくれていた輝の気持ちが現在もかわっていないか確かめようとするが、思いがけない問いかけに輝は返答に窮する。

ミンメイをさがして店にあらわれたカイフンによって、ふたりだけの時間は幕切れとなる。仕事に行きたくないと反抗するミンメイに業を煮やしたカイフンは、コップの水をあびせかけてミンメイを強引に連れだしていった。

輝はハイランダー・シティの空港へもどるが、おりしもゼントラーディ人の暴動が発生して空港は閉鎖されていた。軍にかけあった輝は特別措置として暴動鎮圧の指揮をとり、すみやかに暴徒たちを撃退する。

「そうとうなバカね」と自嘲しつつ、それでも未沙は待ちつづけていた。
夕闇がせまるころ、輝が到着する。未沙はあやまる輝を責めず、遅れたわけも訊かずにやさしく許す。腕を組んで歩く未沙の肩に、輝はちょうどミンメイからもらったばかりの白いロング・マフラーの片端をかける。しかし未沙はイニシャルの刺繍を見つけ、「かけてあげる人をまちがえているわよ!」といって怒り、輝を残して去ってゆく。

人気凋落にくわえて巡業に疲れ、カイフンとの仲も破綻し、歌いつづけることに意味を見いだせなくなったミンメイは、とうとうコンサート会場から逃げだしてステージを放棄する不祥事を起こした。カイフンは、会場で声援を送りつづけたファンを自分の身勝手さから裏切ったミンメイに失望し、きみの歌に人を思うやさしさがあればほんものの歌手になれる、とさとして姿を消す。

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第35話「ロマネスク」

2011年12月24日(土)クリスマス・イヴの朝、ミンメイ失踪のニュースが報じられる。ひと晩だけ泊めてほしいといって頼ってきたミンメイを輝は見かねて家に招きいれるが、ちょうど輝の家をたずねてきてドアの隙間からなりゆきを立ち聞きしてしまった未沙は心をみだし、その場を逃げだす。

修復した戦艦を動かすために反応エンジンが必要になったカムジン一派は、オノギ・シティの沿岸工業地帯を襲撃する。マックス、ミリアをはじめとするバルキリー隊が救援に向かうが、カムジンは目的を達した上、退却ぎわに市街地の各所に仕掛けておいた爆弾を爆破させて街を焼きはらう。

オノギ・シティ攻防で多数の死傷者が出ているという報道を聞き、不安にかられながらミンメイは、輝の無事を祈って待っていた。
その夜、輝が帰宅すると、テーブルにはミンメイの手づくりの料理とクリスマス・ケーキが用意されていた。ろうそくのほの暗いあかりのなか、眼を閉じて身を寄せてきたミンメイに輝はくちびるをかさねる。

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第36話「やさしさサヨナラ」

ミンメイから軍人を辞めるよう懇願された輝は心を決めかねていた。一方、未沙は輝との関係に悩み、退役を考えるほど追いつめられていた。

そんなおりグローバル総司令は未沙に、地球人がこのまま軍備拡大をつづけてプロトカルチャーのように自滅の道をたどらぬよう、地球にかわるあらたな居住地をもとめて宇宙に旅だつ必要があることを説き、建造中の宇宙移民船一番艦(SDF−2メガロード−01)の艦長になってもらいたいと要請する。

宇宙移民計画に賛同して退役を思いとどまった未沙は、わかれを告げるため輝のもとをたずね、ついに思いを告白する。走りさる未沙を追おうとした輝の前に立ちふさがり、行かせまいとするミンメイ。
そのときカムジン一派が戦艦を駆り、マクロスに総力戦を仕掛けてくる。

ミサイル攻撃に巻きこまれ、がれきとなったマクロス・シティのなかで気をうしなっていた未沙を助けおこした輝は、マクロスにもどろうとする未沙に無事を祈り、自分も出撃すると告げて未沙とミンメイのあいだで揺れていた気持ちに整理をつけ、迷いを断ちきり、以後、軍人として未沙とともに生きてゆくことを決意。語らずともその思いは未沙につうじる。

なおも輝をひきとめ、「ひとりにしないで」とすがりつくミンメイに未沙は、歌を愛してくれる人のために歌うのが歌手ならば、愛する者のために戦うのが軍人だとさとし、輝は「きみには歌がある」といって、手を振りきって戦場にいそぐ。

カムジンの砲艦から放たれた主砲ビームがマクロス右舷を直撃し、壊滅的な打撃をうけた司令センターは制御不能に陥る。未沙はヴァネッサ、キム、シャミーを連れて、かつてのブリッジに走る。するとそこには、すでにグローバル総司令とクローディアが待っていた。

もはや動けないと思われていたマクロスは最後の浮上をおこない、主砲ビームで反撃に出る。しかし一撃で撃破できなかったカムジン艦が、ふたたびコントロール不能となったマクロスめがけて決死の特攻をかけ、ダイダロスをふくむマクロス右半身をもぎとって地表に墜落。カムジンはラプ・ラミズとともに爆死し、マクロス・シティ攻防戦は終結する。

無事を喜びあう輝と未沙。
そこへミンメイがあらわれる。ミンメイはどこか知らない街へ行って、もういちど歌いなおしてみると語る。去ってゆくミンメイのうしろ姿を寄りそいながら見おくる輝と未沙の耳に、ミンメイの歌う「やさしさサヨナラ」が聴こえてきた。(完)

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