第34話「プライベート・タイム」

セリフとト書き

[ オープニング ]

ナレーター: クローディアの語るフォッカーとの出会いの日々。その思い出のなかに、未沙は輝と自分の姿を重ねあわせていた。

[ マクロス・シティ。未沙、自宅でお弁当をつくっている ]
未沙: [ 鼻歌 ]ん〜ん〜、ん〜ん〜、ん〜、るるるる、るるる〜…。
[ 未沙、手づくりのサンドイッチをひとつとって味見する ]
未沙: うふ。ん〜、もうすこしマスタードきかせたほうがいいかな。うふふ。イヤッホ〜!!

[ マクロス・シティ、輝の家。輝、鏡の前でひげを剃っている。電話が鳴る ]
輝: ん? 電話か。
[ 輝、受話器をとる ]
輝: はい、一条ですが。
ミンメイ: 輝、あたし。
輝: どちらさまですか?
ミンメイ: あたしよ、わからない?
輝: ミンメイ…? ミンメイなのか!
ミンメイ: 元気だった? 輝。
輝: もちろんさ。
ミンメイ: このあいだはどうもありがとう。あのときあなたに助けてもらわなければ、あたし…。
輝: もうすんだことじゃないか。
ミンメイ: ところで輝、今日は暇?
輝: えっ、あ、ああ、その…。
ミンメイ: 会いたいわ。いまからハイランダー・シティに来られない?
輝: いまから?
ミンメイ: ダメ?
輝: ん、ちょっと約束が…。
未沙: [ 輝の回想 ]約束よ!
ミンメイ: そんなの断っちゃいなさいよ。その人、マクロス・シティにいるんでしょう?
輝: う、うん。
ミンメイ: じゃあいつでも会えるじゃない。
輝: そりゃそうだけど。
ミンメイ: ねっ!
輝: ふ〜む。

[ 輝の回想 ]
輝: こちらスカル・ワン。パトロールに異常なし。これより帰還します。
未沙: 了解。お疲れさま、一条くん。
輝: ありがとう。ねえ、明日の休暇、なんか予定ある?
未沙: え、いいえ…。なにもないわ。
輝: いま、森林地帯の上を飛んでるんだけど、よかったら明日行ってみない? とってもきれいだよ。
未沙: ほんと?
輝: ほんと。約束しよう。くわしくは帰ってから。
未沙: 了解。ありがとう、うれしいわ。

[ 電話口の輝 ]
輝: いつでも会えるか…。わかったよ、その人には事情を説明してわかってもらうさ。
ミンメイ: じゃあ、来てくれるのね。
輝: うん。
ミンメイ: 待ってるわ、すぐ来てね!
[ ミンメイ、電話を切る。輝、すぐに未沙の家に電話をかけるが、すでに未沙は出かけたあとだった ]

[ 待ちあわせをしたオープン・カフェ「SECIELE COFFEE」前 ]
未沙: うふ。すこしはやく来すぎちゃったわ。

[ 輝、ファンライナーでハイランダー・シティの空港に到着する ]
ミンメイ: [ 手を振る ]輝! こっちこっち。
輝: ミンメイ?
ミンメイ: よく来てくれたわねえ。
輝: そんな格好してるから、最初わかんなかったよ。
ミンメイ: 変装よ。それよりはやくこっちへいらっしゃいよ。

[ 輝、パイロット・スーツから背広に着がえている。ミンメイ、輝と腕を組んで歩く ]
ミンメイ: きゅうに呼びだしたりして、ごめんね。約束した人、怒らなかった?
輝: う…、いや、わかってくれたよ。それより離れなくていいの? 芸能記者に見つかったらどうすんのさ。
ミンメイ: いいわ、輝となら。
輝: えっ?
ミンメイ: あは。この変装ならばれっこないわ。最初、輝だって気づかなかったじゃない。
輝: そりゃそうだけど。
ミンメイ: あ、こっち向いて。
輝: ん?
ミンメイ: まがってたわよ。
[ ミンメイ、輝のネクタイをなおす ]
輝: ありがとう。
ミンメイ: 輝でもちゃんとした服、持ってたのね。驚いちゃった。なかなか似あってるわよ。
輝: そうかなあ。
ミンメイ: さあ、行きましょう!
輝: う、うん。

[ ハイランダー・シティの高級レストラン ]
ミンメイ: プロデューサーの知りあいの店なの。よく芸能人が使うのよ。
輝: へえ、きみももう立派な芸能人なんだね。
ミンメイ: もう、じゃないわ。とっくによ。
輝: で、今日はマネージャーさんは。
ミンメイ: 仕事の打ちあわせで、出てるわ。
[ 輝、時計をちらりと見る(10:23) ]

[ カフェ「SECIELE COFFEE」前 ]
未沙: はあ…。どうしたのかしら? 遅いわねえ。

[ ハイランダー・シティのレストラン。輝、未沙を気にして顔が冴えない ]
ミンメイ: 輝、どうしたの?
輝: なんでもない。
ミンメイ: はい。
[ ミンメイ、プレゼントの箱をさしだす ]
輝: ん?
ミンメイ: これ、つまんないものだけど、助けだしてくれたお礼よ。
輝: いいよ、お礼なんて。
ミンメイ: そういわずにうけとって。
輝: そ、そう?
ミンメイ: 開けてみて。
輝: いいのかい。
ミンメイ: ええ。

[ マクロス・シティの新地球統合軍司令センター ]
シャミー: ねえねえ、早瀬少佐が一条大尉とデートってほんと?
キム: そうらしいわよ。いまごろふたりで、ロマンチックな休暇をすごしてんのよ。
シャミー: いいなあ。
町崎: きみたち、野暮な真似はよしなさいよ。早瀬少佐がなにをしようが、勝手じゃないか。まったく! もてない女ほど野暮なんだよな。
キム: [ 舌を出す ]べっ!
シャミー: [ 舌を出す ]べっ!

[ 輝、白いマフラーをもらう ]
輝: うわあ、ありがとう。
ミンメイ: お気に召しまして?
輝: 召します召します。ああ、ありがとう。大事に使わせてもらうよ。
ミンメイ: その服とも似あう。
輝: そうかな。でも、ちょっと長すぎやしない?
ミンメイ: あまったところは、あたしの!
[ マスターが飲みものを持ってくる ]
ミンメイ: ううんっ、気がきかないの。もうちょっとあとのほうがよかったのにな。
マスターA: 若いかたはたいていおいそぎになりますがね。
[ マスター、去る ]
ミンメイ: えへへへ。ふたりの再会を祝って。乾杯!
輝: 乾杯。
[ 輝とミンメイ、グラスをあわせる ]
ミンメイ: こうやってふたりっきりで会うのも、何年ぶりかしら。
輝: 結局、あの作戦以来だから、[ 指おりかぞえる ]…っと、2年ぶりじゃないのかな。
ミンメイ: 2年なんか、みじかいようで長いわねえ。
輝: 長いようでみじかいと、思ったほうがいいよ。
ミンメイ: でも、あのときの気持ち、もうかわっちゃったんでしょう?
輝: ええ?

第27話「愛は流れる」の回想 ]
輝: もう、これっきり会えないかもしれないから、いってしまうよ。僕、きみのこと、好きだった…!

[ ハイランダー・シティの高級レストラン ]
輝: そんなこと、きゅうにいわれても…。ん、困ったなあ。
店員A: すみません、今日は…。
[ カイフンが店に入ってくる ]
店員A: ああ、カイフンさん!
[ カイフン、ミンメイに近づいてくる ]
カイフン: やはりここか。いそぎの仕事が入った。行くぞ。
ミンメイ: いやよ。
カイフン: なにをいってるんだ! きみもプロだろう。そんなことでどうする。
輝: ミンメイ、都合が悪ければまた来るよ。
ミンメイ: あなたは黙っていて!
カイフン: [ ミンメイの手をひいて ]さあ、来るんだ!
ミンメイ: 痛いわ、離してよ。
[ ミンメイ、カイフンの手を振りはらう ]
カイフン: いいかげんにしてくれよ、駄々をこねるのは。
[ 輝、険悪なふたりの様子に戸惑う。ミンメイ、グラスをとって一気に飲みほす ]
ミンメイ: んん! さあ、もう酔っちゃったわ。仕事なんかできない!
カイフン: ちっ…。えいっ!
[ カイフン、ミンメイにグラスの水をあびせかける ]
ミンメイ: ああっ!
輝: あ!
カイフン: これで酔いもさめたろう。悪ふざけもこれまでだ。
ミンメイ: うう…。
[ ミンメイ、あきらめてカイフンに連れてゆかれる ]
輝: ミンメイ。
カイフン: すまんな、一条くん。せっかくのデートを台なしにしてしまって。いずれおわびはするが、ここの払いは心配しなくていいよ。では失礼する。
ミンメイ: んん。
[ カイフン、ミンメイを連れだす ]
輝: [ ミンメイとカイフンが店から出たあと、ひとり言のように ]さよなら、ミンメイ。

[ ハイランダー・シティ。輝、レストランのバー・カウンターに腰かけている ]
輝: マスター、水割り。
マスターA: やめといたほうがいいですよ。深酒になりますから。
輝: ふう。

[ カフェ「SECIELE COFFEE」前の未沙、電話をかけている。応答なし。電話を切る ]
未沙: ふう。
[ 未沙、待ちつづける ]
未沙: 家にもいないなんて、どうしたのかしら。スクランブルならあたしにもかかるはずだし。
[ 近くで車の急ブレーキの音が聴こえる ]
未沙: はっ!
運転手A: 気をつけろ、ばかやろう!
通行人A: うるせえ、ボケ〜!
未沙: 事故にでも…!? [ 頭を横に振って ]あは、まさか。

[ マクロス・シティの新地球統合軍司令センター。町崎の電話が鳴る ]
町崎: はい、こちら軍司令センター。
未沙: 町崎くん、あたしよ、早瀬。
町崎: 早瀬少佐?
キム: はっ!
シャミー: はっ!
[ キム、シャミーとも町崎のほうを見て、聞き耳をたてる ]
町崎: なにかご用ですか?
未沙: たいした用じゃないの。ごく私的なことだけど…。
町崎: はい。
未沙: 一条大尉の居どころ、わかる?
町崎: 一条大尉ですか? 一条大尉のことなら、僕なんかより少佐のほうがよくご存じでしょう。[ にやつく ]
キム: 野暮〜!
シャミー: 野暮〜!
町崎: うるさい!
シャミー: そんな性格じゃ女の子にぜったいもてないからね、あんたなんか!
キム: 相手にもされないわよ。
町崎: ふんだ、あんたたちも相手がいないじゃないか!
未沙: ああ、もういいわ!
[ 未沙、受話器をおく ]
未沙: まったく…!

[ 輝、車でハイランダー・シティの空港に向かっている ]
輝: 未沙、もう帰っちゃったろうな。
[ 検問が見える ]
輝: うん?
[ 輝、車を止める ]
軍人A: ここからさきは通行止めだ。
輝: じゃあ、空港への迂回ルートを教えてくれないか?
軍人A: その空港で、いまゼントラーディ人の暴動が発生したんだ。
輝: なんだって!
軍人A: わかったらもどるんだな。
[ 輝、さきにすすもうとする ]
軍人A: おいっ!
[ 輝、アクセルを踏む ]
軍人A: 行ってはいかん! 待て、もどるんだ!
輝: 未沙…。

[ アイキャッチ ]

[ 輝、ハイランダー・シティの空港へ車を走らせている ]
輝: [ 独白 ]間にあうかな。あっ!
[ 上空をバルキリー隊が飛んでゆく ]

[ ハイランダー・シティ空港。リガートがバルキリーを破壊する ]
ゼントラーディ人A: [ 銃を乱射しながら ]そら、そら、そらそら! どうだ! はっははは、もっとぶち壊してやれ。
[ ヌージャデル・ガーがバルキリーをほうり投げて破壊する ]
パイロットA: これでは降りられないぞ!

[ 待ちつづけている未沙 ]
未沙: [ ため息 ]はあ。あいつ、なにしてるのかしら。

[ ハイランダー・シティ、デストロイド・スパルタン格納庫。パイロット・スーツに着がえた輝、スパルタンに乗りこもうとする ]
上官A: 一条大尉、わかっているだろうな。きみに作戦指揮をとらせるのは、特別措置なんだからな!
輝: [ 敬礼 ]ご厚意には、感謝します!
上官A: [ 敬礼 ]それなりの働きを期待しているぞ!
[ 輝、スパルタンに乗る ]
輝: 一条機、発進します。

[ ハイランダー・シティ空港。ゼントラーディ人が銃を乱射している ]
ゼントラーディ人B: はっははは…。
[ ゼントラーディ人B、空港施設内に発砲。人びとが犠牲になる。リガートが輝のファンライナーを踏みつぶそうとすると、足を撃たれてあおむけに倒れる。輝ひきいるスパルタン隊があらわれる ]
輝: きみたちは完全に包囲されている。無駄な抵抗はやめたまえ!
ゼントラーディ人A: うるせえ!
[ ゼントラーディ人たち、威嚇射撃 ]
ゼントラーディ人A: これが返答だ。
輝: ちっきしょう、あいつら…! こちら一条、A作戦、開始!
[ 遠方からデストロイド・ファランクスが催涙弾を撃ちこむ。爆発で吹きとぶ暴徒たち ]
ゼントラーディ人: [ 口ぐちに ]おわあっ!
ゼントラーディ人C: だあっ!
ゼントラーディ人A: や、やられた。もうダメだ。
ゼントラーディ人D: バカ、しっかりしろ。これは催涙弾だ。
ゼントラーディ人A: なに!? うう、うっふうっふ…!
ゼントラーディ人B: うはっ、ごほごほっ! くそう、地球人め。
輝: ようし、いまだ!
[ 一条機、リガートとすれ違いざまに足をたたき折る ]
ゼントラーディ人A: ああ〜、たあっ!
[ 一条機に向かっていった暴徒、一撃をふるうがよけられる。ぎゃくに臀部にパンチをもらう ]
ゼントラーディ人A: おわあああ! ああ、ああ…。[ 地面にのびる ]
[ バルキリーがヌージャデル・ガーを撃退する ]
輝: お〜い、そっちはかたづいたか?
パイロットB: はい、大尉殿。
輝: やれやれ。やっと終わった。
[ 失神したゼントラーディ人たちを一箇所にあつめる ]
パイロットB: はあ。一条大尉、こいつらどうするんです?
輝: 格納庫にでも放りこんどけ。あとで本部のほうで処置してくれるさ。

[ マクロス・シティに街灯がつく。未沙、それでも待っている ]

[ 輝、ファンライナーで飛ぶ ]
輝: 今日じゅうに謝っとかないと、絶交もんだな。

[ 待ちつづける未沙、時計を見る。18:00を示している ]
未沙: あたしもそうとうなバカね。
[ 足もとで犬の鳴き声がする ]
未沙: うふ。[ 犬に ]あなたもひとり? うふふふ。
[ 未沙、犬を抱きかかえる ]
未沙: そうだわ、ちょっと待っててね。
[ 未沙、バスケットをあける ]
未沙: まあ。ふふふ、匂いでわかるのね。よしよし、いまあげるからね。
[ 未沙、犬にお弁当のおかずをあげる ]
少女A: シェーン、シェーン、どこ? シェーン、帰っておいで。
[ 呼ばれた犬、未沙の腕のなかから飛びおりて少女のもとへ走る ]
未沙: あら!
[ 未沙、うつむいて ]
未沙: またひとりですか…。
輝: [ 遠くから ]お〜い! お〜い!
未沙: はっ!
[ 遠くから輝が駆けてくる ]
輝: はあ、はあ、はあ…。今日は、ほんとにごめん。はあ、はあ、まさか、きみがいるなんて…。はあ、はあ…。
未沙: 森林公園はもう閉まっちゃったけど、どこでこのサンドイッチ食べる?
輝: ああ。急用ができちゃって。
未沙: いいのよ。でも、電話ぐらいかけてほしかったわ。
輝: なんどもかけようとしたんだけど。
未沙: もう、いいわ。
[ 未沙、輝と腕を組む ]
未沙: ふふ。
[ 輝、ほほえむ ]

[ 通りを歩く輝と未沙。輝はミンメイにもらったマフラーの端を未沙の肩にかける ]
未沙: ふふふ。
[ 未沙、マフラーの端を手にとったとき、ミンメイと輝のイニシャルが刺繍されているのを見つける ]
未沙: はっ! [ 足をとめる ]
輝: どうしたの!?
未沙: [ 輝にマフラーを返して ]かけてあげる人をまちがえてるわよ!
[ 未沙、立ちさる ]
輝: ええ? ん? [ マフラーを見る ]うっ、いや、これはちがうんだ。未沙!
[ 輝、あとを追いかけるが、未沙は去る ]
輝: う、ああ…。
[ 雪が降ってくる ]

[ サウスコースト・シティのコンサート会場 ]
カイフン: サウスコースト・シティのみなさん、こんばんは。新統合政府からの自治権獲得、ほんとうにおめでとうございます。今日はサウスコースト・シティ自立の、第一歩を祝うために、リン・ミンメイが駆けつけてまいりました。明日の希望を彼女の歌に託して、それではさっそくまいりましょう。歌は懐かしの「私の彼はパイロット」。
[ 拍手と歓声。スポット・ライトにミンメイが浮かびあがるが、表情が晴れない。イントロがはじまってもミンメイは歌いださない ]
鍵盤奏者A(女): あら?
[ カイフン、驚いてミンメイを見る。ミンメイ、カイフンにほほえみかける ]
カイフン: ミンメイ。
観客: [ 口ぐちに ]どうしたんだ? へんね? 歌わないじゃないか。なにかあったのか。
観客A(女): ミンメイ! ミンメイ!
観客B(男): ミンメイ! ミンメイ!
観客C(男): ミンメイ! ミンメイ!
[ 観客からミンメイ・コールがあがる ]
カイフン: [ 独白 ]さ、歌うんだ、ミンメイ!
ミンメイ: ごめんなさい、みなさん。
観客: [ 口ぐちに ]えっ?
観客D(男): ええ?
ミンメイ: あたし…、今日は歌いたくないんです!
カイフン: うっ!
[ ミンメイ、ステージを逃げだす ]
観客: [ 口ぐちに ]おい、待て〜! どこに行くのよ〜! なんだよ。どうしたの?
[ ステージの幕が降りる ]

[ サウスコースト・シティ。海岸にすわりこむミンメイ。カイフンが近づいてくる ]
ミンメイ: あなたのせいよ。あなたがあらわれてから、輝との仲が遠くなったわ。
カイフン: かわってないな、むかしから。きみはいつも自分のことばかり。さっきの観客たちが、どんな気持ちで帰っていったか、考えてみたのか? きみの歌は、きみひとりのものじゃない。
ミンメイ: そんなこといったって。
カイフン: きみの歌に、人を思うやさしさがあれば、きみはほんものの歌手になれる。きみのほんものの歌が聴きたくて、俺は俺なりにこの2年間、がんばってきたつもりだ。だけど、それも今日で終わりだ。俺はまた旅に出る。とうぶん会うこともないだろう。
[ カイフン、上着を脱いでミンメイにかける。立ちさりかけて、ミンメイを振りかえる ]
カイフン: いつの日か、やさしい歌を聴かせてくれ。
ミンメイ: [ 泣く ]うう…、うっ…。
カイフン: 体だけは大切にな。
[ カイフン、去る ]

[ 次回予告 ]

ナレーター: クリスマスの日、ミンメイ失踪のニュースがながれた。ときをおなじくして、カムジン一派はオノギ・シティを襲った。
次回、「超時空要塞マクロス」、「ロマネスク」。

[ エンディング ]

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登場する人びと(登場回数)

一条輝(34)
リン・ミンメイ(33)
早瀬未沙(34)

キム・キャビロフ(27)
シャミー・ミリオム(29)

町崎健一(3)

リン・カイフン(16)

マスターA - ハイランダー・シティの高級レストラン
店員B - ハイランダー・シティの高級レストラン
運転手A - カフェ「SECIELE COFFEE」前
通行人A - カフェ「SECIELE COFFEE」前
少女A - 「シェーン」という犬の飼い主
鍵盤奏者A(女) - サウスコースト・シティのミンメイ・コンサート
観客A(女) - サウスコースト・シティのコンサート会場
観客B(男) - サウスコースト・シティのコンサート会場
観客C(男) - サウスコースト・シティのコンサート会場
観客D(男) - サウスコースト・シティのコンサート会場
軍人A - 検問
パイロットA - バルキリー隊
パイロットB - バルキリー
上官A - ハイランダー・シティ
ゼントラーディ人A - ハイランダー・シティ
ゼントラーディ人B - ハイランダー・シティ
ゼントラーディ人C - ハイランダー・シティ
ゼントラーディ人D - ハイランダー・シティ

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スタッフ

脚本 … 大野木寛
絵コンテ … 西森明良
演出 … 佐武海
原画 … スタープロ
動画 … スタープロ

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ノート

ミンメイとカイフンが破局。これ以後カイフンは完全に物語から退場して、行方、生死ともに不明となる。

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