第29話「ロンリー・ソング」

セリフとト書き

[ オープニング ]

ナレーター: 地球統合軍とゼントラーディ・ボドル基幹艦隊との激しい戦いが終わって、およそ2年の歳月がながれた。
[ さきの大戦で戦死し、白骨化したゼントラーディ兵士が荒野にさらされている。くずれおちた手ににぎられたミンメイ人形 ]
ナレーター: わずかに生きのこった人びとは絶望のなかから立ちあがり、徐々にではあるが平穏な市民生活を送りはじめようとしていた。

[ ゼントラーディ人がはたらく工場 ]
ゼントラーディ人A: やめた、やめた!
[ ゼントラーディ人のひとりが暴れている ]
ゼントラーディ人A: もういやだ、いやだもう!
ゼントラーディ人B: おい、やめろ! やめろ!
ゼントラーディ人A: うるせえ! ほっといてくれ。こんなバカバカしいこと、もうやめた。この〜っ!
[ ゼントラーディ人A、資材を蹴とばす ]
ゼントラーディ人A: もうこんなところ、リグチナド!
ゼントラーディ人B: おい、ウテマ!
[ ゼントラーディ人A、去ってゆく ]

ナレーター: 地球の生活になじめず、生きるすべがわからぬまま不満をいだいたゼントラーディ人が、日に日に増えつづけていた。

[ レストラン。ピアノ伴奏で「私の彼はパイロット」のイントロが聴こえてくる ]
司会者A: では、リン・ミンメイさん、どうぞ!
[ ミンメイ、登場するが拍手はまばら。おじぎをして顔をあげたミンメイは、お客のすくなさにおどろいて歌いだせない ]
客A: どうしたミンメイ!
ミンメイ: ん、ごめんなさい。もういちどはじめからお願いします。
カイフン: あっ…!
[ レストランの客がざわつく ]

[ マクロス・シティの新統合軍司令センター研究室。グローバル総司令、輝、未沙、クローディアが入ってくる ]
グローバル: 遅くなりました。
エキセドル: おいそがしいところをわざわざお呼びだてして恐縮です。
グローバル: あまり、好ましからざるご報告のようですな。
エキセドル: いちおうわれわれスタッフで結論を出しましたので、はい。
輝: はっ。

[ レストラン。まばらな拍手のなか、ミンメイのコンサートが終わる ]

[ ミンメイ、控室に入ってくる ]
カイフン: ひどい出来だったね。
ミンメイ: ごめんね。
カイフン: こんなことじゃ、明日のチャリティ・コンサート、心配だな。
ミンメイ: 明日はしっかり歌うわ。今日はお客さんがあんまりすくなかったんで、はじめ戸惑っちゃった。
カイフン: 高級レストランだ。しかたないさ。
ミンメイ: あたしのステージ・ギャラ、もっと安くしてあげればよかったんじゃない?
カイフン: 金のあるやつからはもらえばいいさ。
ミンメイ: でも…。
カイフン: そのぶん恵まれない連中にわけてあげているんだからなあ。明日のチャリティ・コンサートだって、売りあげの大半は寄付するんだ。
ミンメイ: ねえ。ねえ、いっそのこと、ぜんぶ寄付しちゃったら?
カイフン: これだからな。僕らはプロなんだ。歌ってお金をもらうことはあたりまえのことなんだよ。
ミンメイ: お金なら、じゅうぶんなほどあるじゃない。
カイフン: 夢の実現までにはまだたりないさ。大きなコンサート・ホールをふたりで建てようって、約束したじゃないか。
ミンメイ: うん。
カイフン: さあ、はやく化粧を落として。景気づけになにかうまいものでも食べに行こう、なっ!
ミンメイ: あたし…。
カイフン: えっ!?
ミンメイ: なんのために歌ってるんだか、わからなくなってきちゃった。
カイフン: バカなこといってるなよ。車は裏口にまわすから。
[ カイフン、控室を出てゆく。ミンメイ、眼をふせる ]

[ カイフンの車が裏口でとまる。出てきたミンメイを乗せて走りさる ]
カイフン: なにが食べたい?
ミンメイ: わたし、「娘娘」に行ってみたい。
カイフン: 親父たちの店に?
ミンメイ: 巡業つづきで、すこしも帰ってないんだもん。
カイフン: 俺は行かないよ。
ミンメイ: だったら、あたしひとりでも行く。
カイフン: あっ!
[ ミンメイ、走行中の車から飛びおりようとする ]
ミンメイ: ああっ!
[ カイフンの車は蛇行してとまる ]
カイフン: ふう〜。
ミンメイ: ごめんなさい。だけどあたし、ひとりでも行くわ。
カイフン: 行くって…、どうやって。
ミンメイ: なんとかするわ。明日のコンサートには、かならず間にあうように帰ってくる。
[ ミンメイ、車を降りかかる ]
カイフン: わかった。送ってくよ。
ミンメイ: えっ!
カイフン: ただし、街の入口までだよ。
ミンメイ: カイフン兄さん!
カイフン: 親父にあったら、よろしくいっといてくれ。
[ ミンメイ、うなずく。カイフン、マクロス・シティに向けて車を走らせる ]

[ マクロス・シティ新地球統合軍司令センターの一室 ]
エキセドル: 以上のようなデータにより、われわれの結論は、地球人とゼントラーディ人はもとをたどればほとんどおなじ種族にほかならないということです。
未沙: やはり…。
エキセドル: 地球人とわれわれは、プロトカルチャーの子孫であることにほぼまちがいありません。
グローバル: そうですか…!
エキセドル: 各種データを調べ、ルーツをさがすと、共通部分がつぎつぎと見いだされました。そのなかでも、とりわけ共通指数の高いものがあります。
[ 一同に緊張感が走る ]
エキセドル: ともに好んで戦争をするという点です。
グローバル: う〜む。
輝: それはちがうと思います。
エキセドル: ん?
輝: いや、すくなくとも地球の人間は好んで戦争をしているわけではありません。襲いかかる敵から身を守るために否応なく戦いを…。
研究員A: それは理屈だ。
輝: えっ!?
研究員A: 宇宙からの侵略がある以前でも、地球では有史以来、地球人同士の戦争がたえまなくつづけられてきたではないか。
輝: うっ…。
研究員A: つねに地球ではどこかしらで戦争があった。地球人はあきらかに好戦的な種族なのだ。
輝: それは、データや数字だけによるこじつけだと思います。
研究員A: 数字は嘘をつかない。
エキセドル: 待ちたまえ。今日はいままでのデータの分析結果の報告だ。私見をはさまんでほしい。
研究員A: は、はい。
エキセドル: とにかく、ほとんどおなじ種族がどのような経過をへて、地球とゼントラーディ人のようにわかれていったか。それがこんごの研究課題になると思いますな。
グローバル: うむ、たしかにな。こんごのわれわれの生活のしかたいかんでは、どのような未来が築かれていくか、わからんからな。
輝: [ 独白 ]どんなことがあったって、地球人はゼントラーディ人のようになんか、なるもんか!

[ マクロス・シティの「娘娘」 ]
ミンメイ: ただいま!
ミンメイ叔母: ミンメイ!
町会長: おっ!
ミンメイ: 叔母さん!
ミンメイ叔母: あははは、よく来てくれたわねえ。
[ ミンメイ叔母、駆けよる ]
ミンメイ叔母: あ、仕事、今日はいいの?
ミンメイ: うん。町会長さん、お仕事どう?
町会長: あはあ、おかげさんで儲かってまっせ。
[ ミンメイ叔父、奥から出てくる ]
ミンメイ叔父: お帰りなあ!
[ ミンメイ、舌を出す ]
ミンメイ: 叔父さん、今夜ひと晩、お世話になりにきちゃった。
ミンメイ叔父: なにいうてんな。ここはな、ミンメイのうちなあ。
ミンメイ: ありがとう。
町会長: うれしいやないかいな。有名人になってもミンメイちゃんは昔とちっともかわらんなあ!
ミンメイ叔母: ほんとねえ。
ミンメイ叔父: ああ、そのとおりね。
ミンメイ: やだあ、それじゃあたしが、ちっとも成長してないみたいじゃないの。
町会長: あ、そういうことになるかいな。
[ 一同、笑う ]

[ 「娘娘」の2階にある自分の部屋にあがってくるミンメイ。階下では宴会の声が聴こえる。ミンメイ、部屋に入ってベッドに腰をおろす ]
ミンメイ: [ 独白 ]あたし、いったいなんのために歌っているのかしら? …輝!
[ ミンメイ、部屋の天井隅を見る。かつて輝がバルキリーで突っこみ、破壊した箇所には補修された跡がある。そのときのこと(第2話「カウント・ダウン」)を回想するミンメイ ]
ミンメイ: 輝…。
[ ミンメイ、ひきだしを開ける。輝からもらったチタニウム章が入っている。ミンメイの回想(第8話「ロンゲスト・バースデー」) ]
輝: [ 回想 ]ミンメイ、いるかい?
ミンメイ: [ 回想 ]輝、輝なの?
輝: [ 回想 ]ミンメイ、今日はごめん!
ミンメイ: [ 回想 ]しかたないわよ、輝は軍人なんだもん。
輝: [ 回想 ]それで、きみの誕生日のプレゼントなんだけど、…これっ!
[ 輝、チタニウム章のケースを投げる ]
ミンメイ: [ 回想 ]あ! [ ケースを受けとめて、開ける ]うわあ、きれいなんだ。これ、ほんとにくれるの?
輝: [ 回想 ]うん。
[ ミンメイ、チタニウム章を見つめる。ふと輝の声を聴いた気がする ]
輝: ミンメイ!
ミンメイ: はっ! [ 窓を開ける ]輝!
[ 外には誰もいない。ミンメイ、涙ぐんでチタニウム章を握りしめる ]

[ アイキャッチ ]

[ マクロス・シティの朝。新聞配達の少年が各戸に新聞をくばって走る ]
少年A: はあ、はあ、はあ…。
ミンメイ: おはよう!
少年A: おはよう! …あ? [ 誰だか気づいて足をとめる ]リン・ミンメイだ。
[ ミンメイ、「娘娘」を出て市街を歩いてゆく ]
少年A: あれえ?

[ 輝、ジョギングをしている ]
輝: はあ、はあ、はあ…。

[ クリーニング屋の車がとまる ]
ワレラ: お〜い、ロリー、手伝ってくれ。
コンダ: お〜い、ニュースニュース!
[ ロリー、店から出てくる ]
ロリー: どうした、コンダ?
コンダ: ミンメイちゃんが、「娘娘」に帰ってきてるんだって。
ロリー: ほんとかよ!
コンダ: ああ。町会長さんとこで聞いたんだ。
ロリー: だって、ミンメイちゃん、今日はストーン・シティでコンサートのはずだろう。
コンダ: 朝はやく発てば、じゅうぶん間にあうさ。
ロリー: [ 指を鳴らす ]ちっきしょう! 知ってれば「娘娘」へ飯食いに行ったのになあ。
[ ロリー、ポケットから手帳をとりだす ]
ロリー: こいつにはプライベート・スケジュールは書いてないもんなあ。
ワレラ: おい、ロリー。俺たちはいいかげんな芸能レポーターじゃない。まじめな洗濯屋さんなんだ。さっさと仕事しろ。…ん? ミ、ミンメイちゃん!
ロリー: えっ!
[ ミンメイが前方から歩いてくる ]
ミンメイ: [ 手をあげて ]まあ。
ワレラ: わあ〜!
ロリー: ミンメイちゃん!
ワレラ: ミンメイちゃん、こ、これにサインして!
[ ワレラ、持っていた洗濯物をさしだす ]
ロリー: ワレラ、それはお客さんの…。
ワレラ: べつのを買って返しゃいいだろう。
コンダ: よ〜し、俺も!
ロリー: よ〜し、俺も!
ワレラ: ちょっと待て!
青い風: 俺がさきだ! 俺だ、俺だったら!
ミンメイ: あははは。

[ マクロス・シティでゼントラーディ人2名があばれはじめる。町会長が巻きこまれる ]
町会長: ああ、はあ…、そんな、無茶したらあかんがな、あんた!
ゼントラーディ人C: だったら黙って行かせてくれ!
町会長: そんなこというたかて…!
町会長夫人: [ 電話で通報している ]はい、はい、そうなんです。ゼントラーディ人がきゅうに暴れだしまして…。ええ、食料やらなんやら無理矢理奪っていこうとしてるんです。ああ、ああ〜!
[ 町会長夫人、ゼントラーディ人に首をつかまれて捕らえられる ]
ゼントラーディ人D: こいつ、どこに連絡してたんだ!
町会長: ああ、おまえ〜!
[ 町会長、夫人に駆けよる。夫人、泣いている ]

[ ジョギング中の輝 ]
輝: はあ、はあ、はあ…。
[ 輝、未沙の前をとおりすぎる ]
未沙: あっ。
輝: ああ、早瀬少佐。
未沙: おはよ。
輝: どうしたんだい、こんなにはやく。
未沙: ううん、なんだか心配で。
輝: なにが?
未沙: 街のなか。
輝: へええ、少佐も。
未沙: あら、あなたも?
輝: なまじっかパトロール部隊なんかに勤めていると、ついとり越し苦労をしちゃう。まあ、ジョギングをかねてるんだけどね。
未沙: このごろの街、なんとはなしに不穏な感じだもの。
輝: うん。
[ 輝と未沙、連れだって歩きはじめる ]
輝: 大きな暴動でも起きなきゃいいけど。
未沙: そうね。
[ 後方から歩いてきたミンメイ、輝と未沙を見かける ]
ミンメイ: はっ!
輝: ああ、少佐の写真、整理してアルバムに貼ったよ。
未沙: そう。
ミンメイ: えっ!?
輝: 誤解しないでほしいけど…、あっ!
[ 輝、ふりむいた途端にミンメイを見つける。ミンメイ、涙ぐみながら逃げる ]
輝: ミ、ミンメイ!
未沙: あ、どうしたの!?
[ 未沙、駆けだした輝のあとを追う ]
輝: ま、待ってくれ〜、ミンメイ!
[ 輝、角をまがったところでミンメイを見うしなう ]
ゼントラーディ人C: うるせえ!
[ ゼントラーディ人C、とめに来た仲間を殴りたおす ]
輝: やめろ!
[ 輝と未沙、ゼントラーディ人のほうに駆けだす ]
ゼントラーディ人C: [ 殴りつづける ]えい、えい!
輝: やめないか!
町会長: ああ、輝ちゃん!
輝: ど、どうしたんですか?
町会長: いやあ、それがな。
ゼントラーディ人C: 俺、もう仕事にあきた。
町会長: 不満があるなら聞くいうてまっしゃいかいな。
ゼントラーディ人C: 話すこと、なにもない!
町会長: ああ〜、乱暴したらどもならんがな、もう…。
ゼントラーディ人C: おっ!
[ トマホーク隊4機が接近してくる ]
ゼントラーディ人C: ああ!
ダン: 抵抗すると、射殺するぞ!
輝: 待て、ダン中尉!
ダン: 一条大尉。
輝: やつらは武器を持っていない!
[ 輝、ゼントラーディ人C・Dに向かいあう ]
輝: 話を聞きたい。きみたちが住みにくいことは百も承知だ。不満は、軍政府が聞こう!
ゼントラーディ人C: おい、おまえら。ほんとうに俺たちのこと、考えてくれてるのなら、いますぐゼントラーディの部隊に、帰してくれ!
輝: そ、それは…。
ゼントラーディ人C: お、俺、戦争がしたいんだ。
ゼントラーディ人D: できるのかよう!
ゼントラーディ人C: どうなんだ!
ゼントラーディ人D: はっきりしろよ!
ゼントラーディ人C: できるのかよ!
ゼントラーディ人D: 戦争させてくれよ!
ゼントラーディ人C: おい、なんとかいってみろ!
輝: ゼントラーディ人が地球を襲わないという保証はない。いまは無理だ!
ゼントラーディ人C: けっ、できないんだったらおためごかしに話しあおうなんて、いうんじゃねえ!
[ ゼントラーディ人C、指のさきで輝を撥ねとばす ]
輝: うわっ!
[ 輝、後方にふっとんでスパルタンの足に激突する ]
輝: ああ…、あっ!
未沙: あっ!
ダン: む、撃ちかた用意!
[ 照準がゼントラーディ人ふたりにあわせられる。おびえるゼントラーディ人 ]
ゼントラーディ人C: うう…。うあ…。
ゼントラーディ人D: うう…。
輝: うう…、や、やめろ!
[ 輝、ゼントラーディ人をかばうように両手をひろげる ]
輝: 撃つんじゃない!
[ 輝、口から血をながす。ゼントラーディ人C、輝を見つめる ]
ゼントラーディ人C: あばよ…。
ゼントラーディ人E: おまえら、後悔するぞ。いちどは文化を、すばらしいと思って来たんじゃないか! リン・ミンメイの歌に、カンドして来たんじゃないか! なぜがんばらんのだ!
[ ゼントラーディ人C、いったん立ちどまるが、ふたたび歩きはじめる ]
ゼントラーディ人E: 今日まで努力してきたんじゃないか。これからじゃないか!
[ ものかげから様子を見ていたミンメイ、泣きながら走りさる。ゼントラーディ人2名、歩いて街を出てゆく ]
輝: 生活になじめないゼントラーディ人は、これからも増えるな。
未沙: 飛びだして、これからどうなるのかしら。
町会長: 飢えで死ぬか、あるいは人のものを強奪するか、どっちかやろなあ。
輝: はっ!
[ ミンメイを見た気がして、背後をふりかえるが誰もいない ]

[ 氷に閉じこめられたゼントラーディ軍の戦艦 ]
カムジン: なに? またはぐれ者が出ただと?
ゲラオ: はっ。情報によれば各地の街から不平分子がぞくぞくとあぶれ出て、その数およそ1万以上かと。
カムジン: おもしれえ。2年ものあいだ、こんなひでえところでジッと待った甲斐があったってもんだぜ。なあ。
[ ラプ・ラミズ、うなずく ]
カムジン: 文化なんてもんにみんな浮かれやがって、どうせ一時的な熱狂にすぎねえ。そう俺は思ってたんだ。
オイグル: そのとおりで。
ラプ・ラミズ: やれる。このままでいけば、いまに地球のやつらをアッといわせる組織づくりができる。
カムジン: ああ、そのとおりだ。
[ カムジン、戦艦のなかにたむろしているゼントラーディ兵士たちに声をかける ]
カムジン: おい、野郎ども、街のあぶれた連中をみんな連れてこい!
ゼントラーディ兵士: [ そろって ]へいっ!
カムジン: もうコソコソすることはねえ。おおっぴらに動きまわれ。マイクローンなったやつらに教えてやれ。このカムジンさまのところに来れば、かならずもとどおりにしてやるってな!
ゼントラーディ兵士: [ 口ぐちに ]おお! 血がたぎるぞ!

[ ストーン・シティのコンサート会場。カイフン、時計を見る ]
主催者A: カイフンさ〜ん! ミンメイはまだかね。
カイフン: ミンメイは来ます。
主催者A: 本番まであと10分なんですよ!
カイフン: 来ます! あの子は仕事をほうりだすようなことはしない。
主催者A: そりゃそうでしょうけどね、30分前までには入ってくれなくっちゃあ。
カイフン: あなたねえ、客をこれしか呼べないで、よく主催者づらができますね!
[ 主催者A、カイフンをにらみつける ]
スタッフA: 来ました〜!
[ カイフン、安堵の顔 ]
スタッフA: ミンメイちゃんが来ましたよ!

[ カイフン、走って控室に入ってくる ]
カイフン: 遅いじゃないか。
ミンメイ: [ メイクをしながら ]ごめんなさい。
カイフン: 客が思ったよりすくなくてな。
ミンメイ: そう。
カイフン: 最低だ。
ミンメイ: お客さんの数なんて、関係ないわ。[ 立ちあがる ]あたし、もういちど歌いなおしてみたいの。
カイフン: えっ!?
ミンメイ: あたし自身のために、あたしの歌を。
[ ミンメイ、部屋から出てゆく ]
カイフン: わたし自身のために。…わたしの歌を。

[ コンサート会場。ライトと歓声と拍手。ミンメイ、「愛は流れる」を歌う ]

[ 輝、未沙、マックス、ミリアがグローバル総司令に呼ばれる ]
グローバル: これから話すことは極秘の計画だ。外部には漏らさんでほしい。
輝: イエッサー。
未沙: イエッサー。
エキセドル: 昨夜ついに、ゼントラーディの自動宇宙船製造工場衛星を発見しました。この衛星には、すべて自動で宇宙戦艦を建造する機能があります。
グローバル: そのシステムを、きみたちの手で奪いとってきてほしいのだ。
一同: えっ!
グローバル: ゼントラーディ軍がいつまた攻めてくるやもしれん。防衛のためにはすこしでも多くの戦艦を確保せねばならんのだ。わかってほしい。
[ エキセドル、慚愧に堪えない表情をみせる。一同、決意をかためてうなずく ]

[ ミンメイ人形を手にしたまま戦死したゼントラーディ兵士の白骨 ]

[ 次回予告 ]

ナレーター: 輝たちは、ブリタイとの混成軍を結成し、ゼントラーディ軍の自動工場衛星を奪取する遠征に出発した。ところがマックスとミリアは、この作戦に自分たちのまだ幼いひとり娘マリアを連れてきていたのである。
次回、「超時空要塞マクロス」、「ビバ・マリア」。

[ エンディング ]

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登場する人びと(登場回数)

一条輝(29)
リン・ミンメイ(29)
早瀬未沙(29)

ブルーノ・J.グローバル(26)
クローディア・ラサール(26)
マクシミリアン・ファリーナ・ジーナス(マックス)(21) - セリフなし
ミリア・ファリーナ・ジーナス(12) - セリフなし
エキセドル・フォルモ(19)

リン・カイフン(14)
町会長(12)
町会長夫人(2)
ミンメイ叔父(リン・シャオチン)(11)
ミンメイ叔母(リン・フェイチュン)(12)
ワレラ・ナンテス(20)
ロリー・ドセル(20)
コンダ・ブロムコ(20)

カムジン・クラヴシェラ(13)
オイグル(10)
ラプ・ラミズ(8)
ゲラオ(3)

ケント(2) - 作曲家

司会者A - ホテルのディナーショー
客A - ホテルのディナーショー
少年A - 新聞配達
主催者A - チャリティ・コンサート
スタッフA - チャリティ・コンサート
研究員A
ダン - デストロイド・トマホーク部隊
ゼントラーディ人A
ゼントラーディ人B
ゼントラーディ人C
ゼントラーディ人D
ゼントラーディ人E

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スタッフ

脚本 … 富田祐弘
絵コンテ … 康村正一
演出 … 康村正一
原画 … スタープロ
動画 … スタープロ

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ノート

走行中の車から飛びおりようとするミンメイ。無謀の極み。

チタニウム章(第8話「ロンゲスト・バースデー」)が輝を回想する小道具として使用されている。

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