第23話「ドロップ・アウト」

セリフとト書き

[ オープニング ]

ナレーター: ゼントラーディ軍に襲われたマクロスはブリタイ艦に決死のダイダロス・アタックをかけたが、ぎゃくにその艦首部からマクロス艦内への侵入をゆるし、ついに市街地は戦場と化した。

[ 一条機、市街地で複数のリガートを相手に単機で戦い、つぎつぎと撃破してゆく ]
輝: ミンメ〜イ!!

[ カムジン、マクロス市街地を侵攻 ]
カムジン: 野郎ども、一気にたたきつぶせ! こんどはなにやってもかまわねえからな。
[ カムジン隊の前を3機のリガートがとおりすぎる ]
カムジン: ん、なんだ、おまえたちは?
ゼントラーディ兵士A: えっ? ミンメイがいたんです〜!
カムジン: ミンメイ? なんだ、それ。
ゼントラーディ兵士B: ミンメイちゃんがいたんだって!
ゼントラーディ兵士C: 3人がいってたことはほんとうだったんだ!
ゼントラーディ兵士D: 俺、ミンメイちゃんに会いたい。
カムジン: うるせい!!
[ ゼントラーディ兵士たち、沈黙 ]
カムジン: で、おまえたち、どうしようってんだ?
ゼントラーディ兵士E: だから、これ以上ここを破壊するなんて…。
[ カムジン、いきなり発砲してリガート1機を撃破する ]
ゼントラーディ兵士: [ 口ぐちに ]うわあ!
[ カムジンの部隊をふくむ、全リガートが四方八方に逃げだす ]
カムジン: む、てめえらまで…。どうしたってんだ。おい、なぜ逃げる!
[ カムジン、リガートを追う ]
ゼントラーディ兵士F: ゆ、ゆるしてくださいよ。親分にはここのすばらしさがわかんないんですよ。
カムジン: うるせえ! 理由はどうあれ逃亡するやつはまともじゃねえ。みんな、さっきのやつみたいな目にあうんだぞ。いいのか、それでも!
[ ゼントラーディ兵士F、無視する ]
カムジン: ようし、わかった! 親分子分のあいだも今日までだ。全員、消去刑にしてやる!
[ カムジン、追撃する ] ゼントラーディ兵士: [ 口ぐちに ]うわあ…。

[ マクロス・ブリッジ ]
ヴァネッサ: 艦長、へんです! 侵入した敵に、混乱が認められます。
グローバル: なに!? う〜む。チャンスだ。防空に温存中のバルキリー隊を投入。たたきだせっ!
未沙: イエッサー。ブラウン、グリーン、インディゴ各中隊は艦首部へまわれ! 敵を挟撃する。

[ 一条機、コンサート会場に到着する ]
輝: おっ!
[ ステージの片隅で、ミンメイとカイフンが向かいあっている ]
輝: ああっ!
[ カイフン、ミンメイをひき寄せてキスする ]
ミンメイ: ん…、んん、ん…。
[ 驚いたミンメイは反射的に抵抗しようとするが、カイフンはそれをゆるさない ]
輝: [ 独白 ]こ、これ、映画じゃないんだよな…。
未沙: スカル・リーダー、応答せよ。一条中尉!
輝: あ、ああ、早瀬大尉か。
未沙: 早瀬大尉もないわよ、いったいどうしたの?
輝: 救護班…、野外劇場へ、まわしてください…。
未沙: 野外劇場? はっ、カイフンさんがどうかしたの? ねえ、いったい誰がケガしたの!? 一条中尉、一条中尉!
[ 輝、無視して一方的に通信を切る。コンサート会場をあとにする一条機 ]
ミンメイ: あっ!
[ ミンメイ、カイフンを突きとばす ]
カイフン: あっ…。
ミンメイ: [ 涙を浮かべながら ]カイフン兄さんの、バカ。
カイフン: あ、ミンメイ。
[ 輝の前に、リガート隊があらわれる ]
輝: くっそう〜! うわあああ!! ちきしょう!!
[ つぎつぎと撃破されるリガート ]

[ 投降者のグループがリガートからロープを伝わって市街地に降りる ]
投降者A: よっと。へええ。おっ、ミンメイ人形!
[ 投降者A、壊れたミンメイ人形を見つける ]
投降者B: これがそうか!
投降者C: 俺にも見せろよ。
投降者: [ 口ぐちに ]俺にも、俺にも、はやく!
投降者A: ああ、こんなになっちゃって。
[ 投降者のグループ、瓦礫の山となった市街地を見わたす ]
投降者A: 俺たちが、俺たちの仲間が、この人形も街もこんなにしちまったんだなあ。

[ ブリタイ艦ブリッジ ]
ブリタイ: 敵前逃亡だと! ううむ、信じられん…。
エキセドル: これが敵の、ほんとうの力だったわけですな。やはりいいつたえは…。
ブリタイ: 守らねばならなかったというわけか?
エキセドル: さよう。
ブリタイ: いまさら遅いわ! この作戦はうち切る! 敵前逃亡者は一時監禁しておけ。
エキセドル: その後の処置は?
ブリタイ: おまえにまかせる。好きなようにしたらよかろう。「文化」の力を調べるなりなんなりと。
エキセドル: ありがとうございます。
ブリタイ: う〜む、「文化」か…。

[ 逃亡する友軍を追うカムジン ]
カムジン: なんだと!? 敵前逃亡者、一時監禁だ? こんなことをゆるしたら、どうなるかわかってんのかよ!!

[ 輝、マクロス艦内の一室の前に立つ ]
輝: ちぇっ! [ 独白 ]戦闘が終わったと思ったら、呼びだしかよ。
[ 輝、ドアをノックする ]
輝: 一条中尉、入ります。
青い風: あっ!
輝: あっ、おまえら!
グローバル: やめたまえ、中尉。かれらは武装解除しているのだよ。
輝: ん、んん…。
ワレラ: あなたも確か、捕虜になった…。
ロリー: は、いやあ、その節はどうも。
輝: なにいってやがる。おまえたち、ここでなにをしているんだ!
未沙: 艦長、中尉にはわたしから説明させてください。
グローバル: よかろう。
未沙: 一条中尉、かれら以下23名は、亡命を希望しているのよ。
輝: 亡命!? 冗談じゃない、俺たちはこいつらと戦ってきたんだぜ。その連中が亡命したいんです、はいそうですか、どうぞなんて、そんな器用なこと俺にはできないよ!
大佐A: これで、3対2ですな。
未沙: 大佐、ちょっと待ってください。一条中尉、あなたならわかってくれると思ったのに。
[ 輝、ことの重大性にようやく気づく ]
未沙: 亡命を拒否したら、かれらには行くべきところも、帰るべきところもなくなるのよ。
輝: んん、んなこといったって、俺は一介のパイロットだぜ。
未沙: あなたはいま、敵を直接見た人間として、意見をもとめられているのよ。
輝: うっ…。
[ 未沙の横にひかえていたマックスがうなずく ]
輝: わかりました。連中とすこし話をさせてください。
[ 輝、「青い風」3人組に近づく ]
輝: おまえたちの亡命理由は?
ワレラ: われわれは、ここで生活したいんです。
輝: ここで!?
コンダ: ここには、「文化」があるんですよ。
ロリー: それに、ミンメイちゃんもいるし。
ワレラ: ミンメイちゃんの歌も…。
輝: ああ、わかったわかった。でも、おまえたち、どうやってそれを知ったんだ?
コンダ: 以前、スパイとしてこの艦にもぐりこんでいたんです。
輝: う〜ん。
ロリー: 俺たち、もどってもなにかさびしくて…。
[ 輝、未沙の言葉を思いだす ]
未沙: [ 輝の回想 ]かれらは、戦争しか知らない悲しい人たちなのよ。
輝: なるほどねえ。しかし、亡命理由としてはちょっと弱いんじゃないの?
コンダ: それに、あなたがたが「プロトカルチャー」だからです。
輝: えっ!?
未沙: はっ!
マックス: えっ!?
大佐A: 「プロトカルチャー」? なんだ、それは。
ワレラ: またあ、とぼけちゃって。
ロリー: あんな力、持ってるくせに。
マイストロフ: おお?
大佐A: ん?
グローバル: うむ。これで早瀬くんの推測は、裏づけられたわけだ。
マイストロフ: 艦長、まさか彼女の報告内容を信じろと…!
グローバル: ここまでくれば、信じるしかないだろう。で、一条くん、きみの意見は?
輝: は、はい。自分としては、かれらを受けいれてもよろしいと思います。
[ 「青い風」3人組、抱きあって喜ぶ ]
マイストロフ: なんだと!?
大佐A: なんだと!?
マックス: これで3対2、ですね。
大佐A: う〜ん、中尉。きみは先刻、受けいれを拒否するといったではないか!
輝: 考えが、かわりました。
マイストロフ: 艦長、自分の意思もはっきりしない輩に意見を聞くことはありません!
グローバル: まあ、待ちたまえ。一条中尉、きみの考えがかわった理由を聞かせてもらおうか。
輝: はい。以前にも報告しましたように、かれらは戦うことしか知らない異星人です。そのかれらがこのマクロスに乗りこんで、はじめて地球人の暮らしや文化にふれたとき、ものすごいショックをうけたと思うんです。
ワレラ: ええ、あのときはほんとうに驚きました。
ロリー: ミンメイさんの歌にも驚いたし、男と女はいっしょにいるし。なかには戦闘反対をとなえる者まで。
コンダ: それが慣れてくると、だんだんここでの暮らしが好きになって…!
輝: お聞きのように、かれらがマクロスでの生活にあこがれを感じるんだとしたら、それは、うまくいえませんけど、かれら異星人とのあいだにも友好関係を結べるんではないかと思うんです。
大佐A: ふん、なんという楽観主義だ。
輝: むっ!
大佐A: 異星人といっしょに暮らすだと?
マイストロフ: [ 机をこぶしでたたく ]外形が似ているからといって、同列にせんでくれ!
輝: ええ、しかし、かれらはこのマクロスではじめて戦争以外の生きかたを知ったんですよ。それをいまさら、追いだすなんて。
大佐A: こんどは感情論かね。
輝: ん、んん…。
未沙: 艦長。
グローバル: なんだね。
未沙: 一条中尉の発言のように、かれらゼントラーディ軍は軍人だけの組織で成りたち、戦いしか知らない種族です。戦いしか知らないからこそ戦うのです。かれらにとっての戦争終結とは、相手を全滅することしかないでしょう。
マイストロフ: だからこそ亡命者を拒否し、断固たる…。
未沙: いいえ! だからこそかれらに、戦争以外のことを教えるんです。勝ち負けではない、第三の生きかたを理解させることができれば、戦争終結への道もひらけると思うんです。
マイストロフ: [ 小馬鹿にしたような拍手をして ]きみのご高説はうけたまわったがね。かれらは異星人なんだよ? どうやって市民生活にとけこませる気なんだ!
未沙: あ…、ん。
乗組員A: 失礼します。
大佐: きみっ、重要会議中だぞ!
グローバル: あ、いやいや。わたしが頼んでおいたのだよ。で、結果は出たのかね?
乗組員A: はい。これがそうです。
[ 乗組員A、レポートを手わたす ]
グローバル: [ ページをめくりながら ] う〜む。
マイストロフ: 艦長、それはいったい…?
グローバル: かれらの血液を分析させたのだがねえ。
[ グローバル、マイストロフにレポートをわたす ]

[ アイキャッチ ]

マイストロフ: な、なんだと!? 血液型も遺伝子構造も、われわれと差違はないだと!
輝: えっ!?
青い風: へええ。
マックス: へえ。
未沙: 予想されていたことだけど、いざ現実となると…。
マックス: では、ほんとうにいっしょに生活できるんですね。
グローバル: われわれがプロトカルチャーだからかな。ま、かれらを異星人としてあつかうわけにはいかなくなったな。となると、ふつうの亡命希望者としてあつかうべきだろう。…よろしい、かれらの亡命を許可しよう。
青い風: やった〜! よかった〜! やったやった、やったぞ〜!! うわははは!
マイストロフ: [ 机をたたく ]このような重大な事項を、マクロス内部で決定してよろしいのですか!
大佐A: 統合軍本部の指示を…。
グローバル: くどいな、きみも!
マイストロフ: あ、ああ…。
大佐A: ん!
マイストロフ: 気分がすぐれませんので、これで失礼します!
[ マイストロフと大佐A、退室する ]
グローバル: [ 独白 ]マイストロフくん、きみにはわからんのかね。われわれはこうした異常な状況を受けいれなければならんのだよ。

[ 輝、未沙、マクロス市街地の被害状況を見にくる ]
未沙: やっぱり見にきてよかったわ、ひどいものね。モニタでは見ていたけど、これほどとはね…。
[ 輝と未沙、歩いている ]
未沙: ここらへんは被害が軽いわねえ。
輝: どうしても、足がここに向いちゃうな。
[ 輝と未沙、「娘娘」の前にやってくる。ほとんど被害はない。店内からミンメイの叔父と叔母が出てくる ]
輝: あ、叔父さ〜ん! 叔母さ〜ん!
ミンメイ叔父: あれま。
ミンメイ叔母: あら。
ミンメイ叔父: 輝くんなあ。
輝: 叔父さんたち、どこへ行くんですか?
ミンメイ叔父: どこ行くってなあ、カイフンとミンメイがもどってこないもんでなあ。
輝: ミンメイたちなら、総合病院ですよ。
ミンメイ叔父: ええ〜、病院な!?
ミンメイ叔母: ええ!? あの、ふたりともケガをしたの?
輝: いえ、ケガをしたのはカイフンさんだけですけど、たいしたことありません。ミンメイはそのつき添いに行ってるんですよ。
ミンメイ叔母: あ、あなた、あの、グズグズしていられないわ。はやく病院に行かなくちゃ。
ミンメイ叔父: いやあ、そうはいっても店のほうも心配だしなあ。
輝: だいじょうぶですよ、俺たちが留守番してますから。
未沙: ふっ、ええ。
ミンメイ叔父: えっ、ほんとかなあ!
ミンメイ叔母: じゃ、お言葉にあまえて。
ミンメイ叔父: あ、さあ!
ミンメイ叔母: あい。
[ ミンメイ叔父、叔母、駆けだしてゆく ]

[ 輝と未沙、「娘娘」店内をかたづけている ]
輝: もうこのへんでいいだろう。
未沙: は〜、そうね。
[ 未沙、雑巾とバケツをかたづける ]
未沙: 待ってて。いまお茶でも入れるわ。
[ 輝、店内の壁に飾ってあるミンメイの写真のホコリをぬぐう ]
輝: [ 独白 ]ミンメイ…。
[ 輝、コンサート会場でのカイフンとミンメイのキスを思いだす ]
輝: [ ため息 ]ふう〜。
[ 輝、かたむいた写真をもとにもどす ]
未沙: おまちどおさま。
[ 未沙、お茶を運ぶ ]
未沙: どうぞ。
輝: あ、どうも。
未沙: でも不思議なものねえ。戦争にはまったく関係のない、いいえ、むしろ戦いの前には無力に見えた民間人の暮らしが、戦争終結のカギになるかもしれないなんて。
輝: そんなことより、いいのかい、病院に行かなくても?
[ 未沙、答えずにお茶を飲んでいる ]
輝: 無理すんなよ。カイフンのこと、気になるんだろ?
未沙: いいのよ。あんなに心配だったのに、亡命騒ぎですっかりわすれてたわ。結局、むかしあこがれていた人によく似ていたから…。[ 未沙、ライバー少尉を思いだす ]でも軍人だからって嫌われて、軍のやりかたに疑問を感じていたころだったし、ああやってきっぱり戦争反対っていわれると、すごいショックだったのね。ちょうど、あの亡命者たちがはじめて平和な暮らしを知ったときみたいに。あの人たちが来たことで、戦争終結の糸口が見つかったら、きゅうに気がぬけちゃって。
輝: そんなもんですかねえ。
未沙: あはは、おかしいかしら。でもカイフンさんには両親もいるし、ミンメイさんだっているんですもの。
輝: ん、んん…。
未沙: あっ、あなたのほうこそ自分の気持ちを告白したの?
輝: そんなこと、どうでもいいじゃないか…!
未沙: あ…。
[ 輝、ミンメイの写真を見あげる ]
未沙: やっぱり、まだ…。ちゃんと口にしないで、わかってもらおうなんて虫がよすぎるわ。このままカイフンさんにとられちゃっていいの? はっきりいわないで、あとで後悔しても知らないわよ!
[ 輝、未沙のきつい口調に耐えている ]
未沙: ああ、あ、ごめんなさい。強くいうつもりはなかったんだけど、あなたを見てると、つい…。
[ 警報が鳴る ]
輝: はっ!
未沙: はっ! 一条中尉、あなたはさきに行って! あたしは店番を頼める人をさがすから。
輝: 了解!
[ 輝、駆けだしてゆく ]
未沙: はあ…。
[ 未沙、輝を見おくりながら、ついムキになって出しゃばった自分を反省して、げんこつで頭を軽くたたく ]

[ 輝、発進準備を整える ]
輝: スカル中隊、発進!
クローディア: スパルタン隊、第4、第8ブロックで待機せよ。
シャミー: カークランド中隊さんは、プロメテウスの防護にまわって。
[ ブリッジのドアが開く ]
シャミー: 大尉、はやくかわってください。
未沙: 遅れてごめんなさい。渋滞にぶつかっちゃって。敵は?
ヴァネッサ: 小部隊です。おそらく残存部隊だと思われます。
クローディア: いままでどこに隠れていたのかしら。
未沙: せっかく答えが見つかりかけているのに、まだ戦うなんて…。あっ!
[ モニタにスカル中隊が映っている ]
未沙: スカル・リーダー、[ 表情をゆるめて ]無理しないでね。
輝: [ おだやかに ]了解。
未沙: [ すこし意外に思って ]あっは、今日はずいぶん素直なのね。
輝: [ 表情をやわらげて ]そうですか。
[ モニタに敵の反応 ]
輝: 来たぞ!
[ バルキリー隊とリガート、空戦ポッドの交戦。輝、部下の背後についた敵機を撃墜する ]
パイロットA: 隊長!
輝: 後方に気をつけろ!
[ 輝、まわりを見まわす ]
輝: 終わったようだな。早瀬大尉、こんな小部隊がまだいくつも来るなんて、いわないでくれよ。
未沙: もうなさそうよ。
輝: こんなこと、いつまでつづくのかね。
未沙: ん、さあ? 敵は戦いしか知らないものね。でもいつかは、やめさせなきゃいけないのよ。
輝: うん。
[ バルキリー隊、マクロスに帰艦する ]
未沙: そう、一日もはやく、やめさせなければ…。
[ 未沙、静かにこぶしをかためて、ある決意を示す ]

[ マクロス艦長室 ]
未沙: 艦長、お願いします!
グローバル: うん?
未沙: お願いします。統合軍本部に行かせてください! 行って、亡命者受けいれについて、説明させてください。
グローバル: 説明だけかね?
未沙: 亡命者の受けいれについては、最善をつくします。父を、頼ることになるかもしれませんが…。
グローバル: 証人として、あの3人を連れて行かなくてもいいのかね。
未沙: はい。まずわたしが行って、状況を説明してから呼びます。きゅうに連れていったら、なにをされるか…!
グローバル: なるほどな。
未沙: この役目、あたしにやらせてください。お願いします、艦長!
グローバル: う〜ん…。
[ グローバル艦長、未沙を試すように見つめる ]
未沙: はっ…。
グローバル: よろしい、きみに一任しよう。連絡艇はすぐ準備させる。好きなときに出発したまえ。
未沙: [ 敬礼 ]それでは、これからすぐにでも、出発させていただきます。

[ エレベータで上昇してきた輝、エレベータを降りて右手にまがる。通路向こうから、未沙があらわれる。輝は歩きさり、未沙はエレベータ前で待っている。ふたりとも、おたがいの存在に気がつかない ]

[ 次回予告 ]

ナレーター: 未沙を乗せたシャトルが地球へ向かった。統合軍首脳部説得のためである。しかしマクロスから離れたシャトルに、カムジンの部隊が襲いかかった。輝の、そしてマックスのバルキリーが救援に飛ぶ。
次回、「超時空要塞マクロス」、「グッバイ・ガール」。

[ エンディング ]

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登場する人びと(登場回数)

一条輝(23)
リン・ミンメイ(23)
早瀬未沙(23)

ブルーノ・J.グローバル(20)
クローディア・ラサール(21)
マクシミリアン・ジーナス(マックス)(15) - セリフなし
ヴァネッサ・レイアード(22)
シャミー・ミリオム(21)

マイストロフ(3)
ライバー・フォン・フリューリンク(3) - 回想シーンのみ セリフなし

リン・カイフン(9)
ミンメイ叔父(リン・シャオチン)(9)
ミンメイ叔母(リン・フェイチュン)(9)

ブリタイ・クリダニク(17)
エキセドル・フォルモ(15)
カムジン・クラヴシェラ(9)
ワレラ・ナンテス(15)
ロリー・ドセル(15)
コンダ・ブロムコ(15)

大佐A - マクロス
乗組員A - マクロス
パイロットA - バルキリー・スカル中隊員
投降者A
投降者B
投降者C
ゼントラーディ兵士A
ゼントラーディ兵士B
ゼントラーディ兵士C
ゼントラーディ兵士D
ゼントラーディ兵士E
ゼントラーディ兵士F - カムジン一家

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スタッフ

脚本 … 大野木寛
絵コンテ … 康村正一
演出 … 康村正一
メカ作監 … 平野俊弘
キャラ作監 … 鈴木栄一
原画 … 木下ゆうき 中山和子 蒲木 スタープロ
動画作監 … 藤高栄光 宮崎葉月
動画 … 古宮尚彦 善林秀嘉 佐久間清明 谷台久美子 スタープロ

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ノート

未沙が、ミンメイにたいする輝の消極的な態度を強い口調で叱ったのは、輝について本気で心配になっているあらわれだ。まだ恋愛感情にはいたっていないが、未沙が輝にたいしてしだいに親身になっていることは確か。

第21話「ミクロ・コスモス」以降、輝と未沙の距離は急速にちぢまる。ことあるごとに口論していた当初とはちがって未沙は輝にたいしてやさしい言葉をかけるようになり、輝は反抗的な態度をとらなくなった。

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