第16話「カンフー・ダンディ」

セリフとト書き

[ オープニング ]

ナレーター: 輝とミンメイはグローバル艦長に特別許可をもらい、日本にいるミンメイの両親のもとをたずねた。そこでミンメイは長いあいだ行方知れずになっていた従兄のカイフンと再会する。
一方、未沙と艦長は統合軍総司令部でゼントラーディ軍の正体を報告したが、物証がないため理解を得られず、その上、マクロス内の民間人にたいする上陸も許可されなかった。

[ マクロス・ブリッジ ]
キム: ひどすぎる!
シャミー: 上陸許可が降りないなんて。
クローディア: まあ、総司令部なんてそんなものよ。頭のかたい連中ばっかり。
シャミー: こんな決定を黙って受けいれるんですか? 艦長、拒否なさるんでしょう?
キム: 艦長!
グローバル: ん? んん…。きみたちはあたえられた任務を遂行していてくれたまえ。私はいま、このことをどう市民に知らせようと頭をかかえとるんだ、わかるね。
[ グローバル艦長、立ちさろうとする ]
ヴァネッサ: ああっ、艦長! あ〜ん、もう。 [ グローバル艦長、ブリッジから退室 ]
ヴァネッサ: ダメだこりゃ。
未沙: ヴァネッサ、艦長は司令部で強硬に反対されたのよ。
クローディア: 強硬に? 軍人として、だわよね。
未沙: あ、んん…。
キム: 司令部のやりかたって腹がたつわねえ。
シャミー: うん。
ヴァネッサ: ほんと。
シャミー: ねえ、街で憂さ晴らししない?
ヴァネッサ: ん〜、その意見、考慮!

[ 「娘娘」店内。ミンメイ叔母が「私の彼はパイロット」を鼻歌で歌いながら店の準備をしている。ドアが開く ]
ミンメイ叔母: あ、いらっしゃいませ…。[ 誰だか気づく ]カ…、カ、カイフン…!
[ 入口に立つカイフン。背後に輝とミンメイがいる ]
カイフン: ただいま、母さん。
ミンメイ叔母: ああ、カ、カイフン。ああ、ゆ、夢じゃ、夢じゃないだろうね。ああ。
カイフン: 夢じゃないよ、母さん。
ミンメイ叔母: ああ、おまえ。よ、よく帰って…、よく帰って…!!
[ ミンメイ叔母、カイフンにすがって泣く。ミンメイ、もらい泣きする。輝は不思議そうにミンメイを見る ]
ミンメイ: あっは、もらい泣きしちゃった。
ミンメイ叔母: あ、あらやだ。輝ちゃんに恥ずかしいとこ…。
輝: い、いいえ、そんな。
カイフン: お元気そうですね、父さん。
ミンメイ叔父: お…。
[ ミンメイ叔父、カイフンに気づくが、無視するような態度をとる ]
ミンメイ叔母: あ、あなた!
カイフン: いいんだよ、母さん。父さんは昔っからああなんだから。
[ ミンメイ叔父、厨房で洗いものをしながら涙ぐんで ]
ミンメイ叔父: へへ、バカ息子が…!

[ 「青い風」3人組が丼物屋の前にいる ]
ロリー: [ 料理の模造品を見て ]こ、これ、食えるのかなあ?
コンダ: でも、いい匂いがしてくるぜ。
ワレラ: なんでもいいから食っちまおうぜ。持ってきた携帯食が切れて、なんも食ってねえんだ。
コンダ: ところで、これはどうやって出すんだ?
ワレラ: どこにも取りだし口はないが。しかたない、ロリー、やれ!
ロリー: えっ、俺!? んん、まあ、いいや。
[ ロリー、うしろにさがってメニューのショーウィンドーに体あたりする。ガラスが割れる ]
ロリー: よしっ!
よっちゃん母: あら? まあ!
[ ガラスの割れる音に驚いて外に出てきたよっちゃん母、ロリーが天丼の模造品を口に入れているのを見る ]
ロリー: ん、んん、ぺっ、ぺっ、ぺっ! [ 吐きだす ]
よっちゃん母: あんたたちなにやってるんだい! そりゃ食べものじゃないよ。そんなものを食べたくなるなんて、よほどお腹がすいてたんだろうねえ。わかったよ、なかに入んな。なにか食べさせてあげるから。[ 店に入る ]ほら。
ワレラ: おお。
コンダ: えっ。おいっ!
[ ワレラ、コンダ、店に駆けこむ ]
ロリー: ああ、待ってくれ〜!

[ 未沙、マックス、ブリッジ3人娘が連れだって「娘娘」にやってくる。店内が騒がしい ]
キム: なあに〜、いったいこの騒ぎは。
輝: こっちこっち〜! やあ。
[ 輝、みんなに手を振る ]
シャミー: あ、一条中尉。
ヴァネッサ: いこいこ、あっちいこ。
輝: マックス、めずらしいな。早瀬大尉と一緒なんて。
マックス: いや、街をぶらついていたら、つかまっちゃいまして。
未沙: 一条中尉、いったいこの騒ぎはなんです?
輝: 家出していたミンメイの従兄、つまりミンメイの叔父さんのじつの息子が帰ってきたのさ。
キム: え?
シャミー: え?
未沙: え?
輝: それで、近所の知りあいがみんな、押しかけてきたってわけ。
[ 全員、カイフンを見る ]
キム: うわあ、美形!
シャミー: うわあ、美形!
未沙: はっ!
[ 未沙、カイフンがライバー少尉と似ていることに気づき、動揺する ]
未沙: [ 独白 ]ラ、ライバー少尉…。
シャミー: あ〜ら、キムさん、およだれが。
キム: あんたも眼の色かわってるわよ。
ヴァネッサ: 一条中尉、あの人のお名前は?
輝: リン・カイフン。
ブリッジ3人娘: わあ、すてきなお名前。
キム: 叔母さんたら喜んじゃって。
町会長: 輝ちゃんのお仲間でっか? まあ、ははは、えらいべっぴんさんばっかりで。おい、カイフンさん。あたらしいお客さんだっせ。
カイフン: えっ!?
[ カイフンとミンメイが近づいてくる ]
未沙: ああ…。
カイフン: よく来てくださいました。
ミンメイ: うふっ。
ブリッジ3人娘: はじめまして。
マックス: はじめまして。
町会長: カイフンさん、あんさんの嫌いな軍隊にもべっぴんさんがいてはりまっしゃろ、なあ! [ カイフンの表情が険しくなる ]えへっ。あちゃ〜、わてなんぞ、ごつ悪いこというたらしいな。まあ若い人は若い人どうしや。ほな、ま、ごゆっくり。
シャミー: 軍隊がお嫌いなんですか?
カイフン: ええ、私は争いを好みません。戦いはなにも生みだしません。戦いのもたらすもの、それは破壊だけです。
マックス: 「戦いのもたらすもの、それは破壊だけ」。
輝: ふん、俺だって、べつに好きで軍隊やってるわけじゃ…。
[ 一同、沈黙してしまう ]
ミンメイ: みんな、どうしちゃったの? カイフンが帰ってきたお祝いの席じゃないの。そうだ、いまあたしの出てる番組があるのよ。誰かテレビつけて!
客A: お、よっしゃ。
[ テレビがつく。歌謡番組 ]
司会者A: ヒットチャート、トップを行く、リン・ミンメイさん。
[ 歌「私の彼はパイロット」がはじまる。店内の客から歓声があがる ]
アナウンサーA: 曲の途中ですが、臨時ニュースを申しあげます。
客: [ 口ぐちに ]なに〜! なんだと? どうしたんだ!
アナウンサーA: グローバル艦長の発表によりますと、検疫処置のため、マクロスの民間人にたいする上陸許可は差しとめられました。
客: [ 口ぐちに ]な、なんだと?
アナウンサーA: もちろん、これは暫定的な処置です。市民のみなさんは軽挙妄動を慎み、秩序ある行動をお願いします。
客B: せっかく地球にもどってきたのに、上陸もできないのかよ!
よっちゃん母: いったいあたしたちのなにを検疫するっていうの?
客C: [ テレビに向かって ]こらあ、ちゃんと説明しろ!
アナウンサーA: では、ひきつづき歌をどうぞ。
[ テレビ、歌「私の彼はパイロット」の最後の一節から再開。客から不満の声があがる ]
キム: 考えた末の発表が、あれじゃあねえ…。街の人が怒るのも無理ないわよ。
シャミー: みんなもやけ食いするのかしら?
客B: おお、そうだ。ちょうど軍人さんがここにいる。ここでちゃんと説明してもらおうじゃねえか、なあ!
客: [ 口ぐちに ]そうだ、そうだ。説明してもらおうじゃないか。
[ 数人の客が輝につめ寄る ]
客B: さあ、説明してもらおうじゃないか。
輝: いや、そんなあ、俺…。いや僕はなにも…。
未沙: やめなさい。それが秩序ある市民のすることですか? 落ちついてください。
客B: 落ちつけだと? これが落ちついていられるかよ! いいか、貴様らのせいで俺たちは土地を失ってしまったんだ。だけどいまは地球にもどってきてるんだ![ テーブルをたたく]そ、それなのに上陸できないなんて…!!
未沙: しかし、暫定的な処置だといっていたじゃ…。
客B: 軍部はいつもそういってきた。すぐ地球にもどしてやる、すぐ船から降ろしてやるってねえ。俺たちゃ、もうこれ以上だまされんぞ!
客: [ 口ぐちに ]そうだ、そうだ。
客D: みんな、こいつらを捕虜にして、軍に上陸を許可させるんだ。
未沙: [ 仲間に向かって ]行きましょう。
[ 未沙、立ち去ろうとするが、市民のひとりに腕をつかまれる ]
客E: 待てよ。
未沙: なにをするんですか!
客E: うるせい。
マックス: やめないか。こんなことをして、どうなると思ってるんです。
客E: うるせえってんだい! [ マックスに殴りかかる ]
[ 殴りかかられたマックスはパンチをよけて、ぎゃくに客Eを殴りたおしてしまう ]
マックス: しまった…!!
客: [ 口ぐちに ]おお。
客F: このやろう!
[ 乱闘。輝、マックスが応戦する。殴られてそばに跳ばされてきた客のひとりを、カイフンが跳ねとばす ]
客G: だいじょうぶか?
客H: ああ、あいつが…。
客I: カイフンさん、あんたもかい。
未沙: はっ!
[ カイフンも乱闘に巻きこまれる。みずからは殴らず、相手の攻撃をかわしてゆく中国拳法の受け身の型で対応。やがて乱闘はおさまるが、輝、マックス、カイフンともいちどは殴られて負傷している ]
マックス: はあ、はあ、はあ…。
輝: はあ、はあ、はあ…。
客J: いててて…。
ミンメイ: カイフン、強いのねえ。
[ ミンメイ、カイフンに抱きつく ]
輝: ああっ!
客K: ありゃ、中国拳法だなあ。
客L: ああ、それも受けの型しか使っていない。
マックス: へえ、あれが中国拳法の型なのか、はじめて見た。
輝: [ 嫌味 ]争いごとが嫌いなわりには、ずいぶんお強いんですね。
カイフン: 人を傷つけるためには、使わない。
未沙: はっ!
[ 口を切っているカイフンに気づいた未沙、走りよってハンカチを差しだす ]
未沙: ライ…、いえカイフンさん、どうぞ。
カイフン: 失礼。あなたが軍人でなければお受けするんですが。
未沙: えっ。
ミンメイ: そうよ。カイフンは軍人さんが嫌いなの。はいっ!
[ ミンメイ、カイフンの口を自分のハンカチでぬぐう ]
カイフン: あ、痛いよ。そんなに強く。
ミンメイ: あら、ごめんなさい。
輝: ミンメイ、なんだい…。
マックス: えっ。[ 輝を見る ]
輝: ああ。[ 戸惑い ]
マックス: ん?

[ アイキャッチ ]

[ ゼントラーディ艦隊。1隻の戦艦から突撃艦が発射される ]
ラプ・ラミズ: なに!? カムジンが突撃艦で出ただと?
ゼントラーディ兵士A(女): はっ。
ラプ・ラミズ: まったく、あの坊や! はあ…、ちょっとお仕置きをくわえるか。

[ マクロス・ブリッジ ]
ポッキー: 艦長、未確認飛行物体接近中。
グローバル: なにっ!?
ポッキー: 高度1万2千、1万1千、このまま行くと1時方向20キロの地点に着水します。
グローバル: んん〜、ただちにB−5配置を発令。それから、早瀬大尉たちを呼びもどしてくれ。
***: イエッサー。

[ 地球統合軍レーダー室 ]
兵士A: 敵艦降下。K−32、R−56ポイントに着水の模様。
軍士官A: 敵か。ま、迎撃ミサイルでも撃っておきたまえ。
兵士B: イエッサー。
軍士官A: 連中の目標はマクロスだからなあ。いまの地球にマクロスという荷はかつぎきれん。

[ マクロス・ブリッジ ]
クローディア: 遭遇推定時間まで、あと10分。
グローバル: うむ。
[ 未沙、カイフンの言葉を思いだしてショックを受けている ]
カイフン: [ 未沙の回想 ]戦いは破壊しかもたらしません。
クローディア: 未沙、未沙! 未沙、ポケッとしてどうしたの? あなたも肩がこるような相手、見つけたの?
未沙: ああ、そんな人いないわよ!
グローバル: [ 咳ばらい ]んん、んん、んん〜!
クローディア: ふふふ。
キム: 統合軍総司令部より入電。迎撃ミサイルを発射したそうです。
グローバル: うむ。[ 独白 ]生かさず、殺さずか。

[ 地球統合軍の迎撃ミサイルが敵艦に向かう。突撃艦内のカムジンとオイグル ]
オイグル: 隊長、反撃しねえのかあ?
カムジン: 俺たちは星に手を出すわけにいかねえんだよ。
オイグル: 攻撃目標は星じゃねえってわけか。
カムジン: そういうこった。

[ マクロス・ブリッジ ]
未沙: バルキリー隊、第一波発進!
[ バルキリー隊、カムジン突撃艦と交戦 ]
クローディア: 敵艦より空戦ポッド発進。
[ カムジンのグラージ、リガート隊、マクロスに降下する ]
カムジン: なんとしてでもやつらの尻に火をつけて、宇宙にいぶりだしてやる。
クローディア: 敵ポッド群、多数降下接近中。白兵戦になる模様。
グローバル: スパルタン隊を甲板に配備。
未沙: イエッサー。
輝: [ 独白 ]ミンメイのバカ! あんなやつの。
クローディア: スパルタン隊、第7、第9、第16ブロックで待機。
未沙: バーミリオン小隊は第3ブロックの防衛にあたれ。
[ 輝、ムッとする ]
輝: 早瀬大尉、いったい何機落とせば敵は来なくなるんですかねえ。10万機ですか、100万機ですか!
未沙: はっ! ああ…。[ 真にうけて反論できない ]
輝: はあ〜、怒鳴りちらされるかと思った。バーミリオン小隊、発艦します!
[ バーミリオン小隊、発進。プロメテウス甲板上でスパルタン隊、リガート隊が交戦 ]
未沙: バーミリオン小隊、ただちに第7ブロックの防衛にまわれ。
柿崎: 了解。
マックス: 了解。
輝: 了解。
カムジン: ん、なんだ!?
[ 空から降下してくる部隊がある ]
クローディア: 敵、第二波、急速接近中。
[ クアドラン・ロー隊降下 ]
ラプ・ラミズ: この作戦はカムジンの独断行為阻止が目的である。敵には絶対手を出すな。
ミリア: 敵には手を出すな? そうはいってもそういう命令って実行しにくいんだな。
[ ミリア、接近してきたバルキリー1機を撃墜する ]
ミリア: ほ〜ら、もう命令違反だ、ふふふ。
ラプ・ラミズ: カムジン、聞こえるか。ただちに攻撃をやめたまえ。明白なる命令違反だ。
カムジン: 命令違反だと? 俺は敵艦に手を出してるだけだぜ。星には指一本…。
ラプ・ラミズ: 貴様、そんな詭弁がつうじると本気で思っているのか? ただちに帰艦せよ!
カムジン: わかったよ! 帰りゃいいんだろ。突撃隊、ただちに撤収する。
ゲラオ: 了解。もう帰るんで?
カムジン: しかたねえだろ! ラプ・ラミズ司令じきじきのお出ましだ。なあ、ところで置き土産をわすれんなよ。
ゲラオ: 土産? ああ、わすれるもんですかい。
[ ラプ・ラミズ艦から回収船発進。カムジン部隊、撤収。水上から敵艦が浮上する ]
ヴァネッサ: 敵艦、本艦に突っこんできます。
グローバル: 特攻をかける気だな。ただちにダイダロス・アタック態勢、急げ!
未沙: [ 元気がない ]イエッサー。全部署に発令、全部署に発令!

[ バーミリオン小隊、マクロス艦上でリガート隊と交戦。上空をミリアのクアドラン・ローが通過し、爆発が起こる ]
輝: だいじょうぶか?
マックス: はい、だいじょうぶです。すこし離れていましたから。
柿崎: ただのはずれ弾ですわ。
未沙: バーミリオン小隊、いま通過した敵機を追撃せよ。
輝: 了解。
[ バーミリオン小隊、ファイター型に変形し、ミリア機を追撃 ]
カムジン: おお、すばやいのがいるな。
マックス: ここはわれわれにまかせて。
柿崎: 隊長はやつを追ってください。
[ マックス、柿崎、弾幕をはる ]
輝: わかった。頼んだぞ!
[ 一条機、ミリアを捕捉 ]
輝: いた!
[ 突撃艦、砲弾をうけながらマクロスに突っこんでくる ]
クローディア: ダ、ダイダロス・アタック、発動20秒前。
[ ミリア機を追う一条機 ]
ミリア: しつこいやつだ。
クローディア: ダイダロス・アタック、8秒前。7、6、5、4、3、2、1、アタック!
[ 号令に未沙が反応しない ]
クローディア: はっ! み、未沙!!
未沙: はっ! ダイダロス・アタック!
[ ダイダロス・アタック。発動が遅れたため、ダイダロス艦首が敵突撃艦を突きぬけてしまう ]
ミリア: くっ!
輝: ああ、突きぬけた!
未沙: [ 気づかない ]ミサイル発射!
[ 無数のミサイルが一条機に向かってくる。一条機、被弾 ]
輝: やられたあ!!
[ ミリア機、墜落してゆく一条機にさらに一撃をあたえて撃墜、退却してゆく。敵艦、爆発 ]
クローディア: ダイダロス・アタック第二波成功。敵艦、消滅。

カムジン: くっそう! 俺の突撃艦は犬死にか。
ラプ・ラミズ: カムジン、どうやらプレゼントはとどかなかったようだな。
カムジン: ううう。
ラプ・ラミズ: いま回収艇に乗せてやるよ。ふっふふふ。
カムジン: ええい、引きあげだ!
[ カムジンのグラージとリガート隊、回収艇に乗りこむ ]

[ マクロス・ブリッジ ]
シャミー: 敵、退却していきます。
クローディア: 追いますか?
グローバル: いや、深追いはするな。戦闘は終わったんだ。しかししばらくはこのままの態勢を維持したまえ。
ブリッジ: イエッサー。
グローバル: ああ、早瀬大尉。きみは自室で休息をとりたまえ。
未沙: [ グローバル艦長を振りかえることなく ]はっ、はい…。[ 肩をさげる ]
[ クローディアが心配そうに未沙を見つめる ]

[ 未沙の部屋。未沙、頭をかかえてベッドにすわっている ]
カムジン: [ 未沙の回想 ]戦いは、なにも生みだしません。
輝: [ 未沙の回想 ]何機落とせば敵は来なくなるんですか!
[ 未沙、涙ぐんでいる ]
未沙: ああ、わからない、なにもかも。わかっているのは、カイフンがライバー少尉じゃないってことだけ。

[ 救助ヘリの音。撃墜された輝は気をうしなって洋上をただよっている。輝は救急車で病院に運ばれ、手術室に入る。手術灯が点灯する ]

[ 次回予告 ]

ナレーター: ゼントラーディ軍のエース・パイロット、ミリアとの空中戦で撃墜された輝は、深手を負ってしまった。手術室に運びこまれた輝は、もうろうとした意識のなかで悪夢にうなされていた。
次回、「超時空要塞マクロス」、「ファンタズム」。

[ エンディング ]

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登場する人びと(登場回数)

一条輝(16)
リン・ミンメイ(16)
早瀬未沙(16)

ブルーノ・J.グローバル(15)
クローディア・ラサール(15)
マクシミリアン・ジーナス(マックス)(8)
柿崎速雄(9)
ヴァネッサ・レイアード(15)
キム・キャビロフ(13)
シャミー・ミリオム(14)

ライバー・フォン・フリューリンク(2) - 回想シーンのみ セリフなし
パナップ(4) - セリフなし
ポッキー(3)
メイ(4)

リン・カイフン(2)
町会長(9)
ミンメイ叔父(リン・シャオチン)(7)
ミンメイ叔母(リン・フェイチュン)(7)
よっちゃん(7) - セリフなし
よっちゃん母(5)

ラプ・ラミズ(3)
カムジン・クラヴシェラ(5)
オイグル(5)
ミリア・ファリーナ(2)
ワレラ・ナンテス(8)
ロリー・ドセル(8)
コンダ・ブロムコ(8)
ゲラオ(2)

客A - 「娘娘」
客B - 「娘娘」
客C - 「娘娘」
客D - 「娘娘」
客E - 「娘娘」
客F - 「娘娘」
客G - 「娘娘」
客H - 「娘娘」
客I - 「娘娘」
客J - 「娘娘」
客K - 「娘娘」
客L - 「娘娘」
司会者A - 歌謡番組
アナウンサーA - 臨時ニュース
軍士官A - 地球統合軍レーダー室
兵士A - 地球統合軍レーダー室
兵士B - 地球統合軍レーダー室
ゼントラーディ兵士A(女) - ラプ・ラミズ艦

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スタッフ

脚本 … 大野木寛
絵コンテ … 康村正一
演出 … 康村正一
キャラ作監 … 鈴木英二
原画 … 曽我部孝 相沢好 木下ゆうき 中山和子 古宮尚彦
動画作監 … 藤高栄光 宮崎葉月
動画 … 手塚由紀 スタープロ

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ノート

輝は、カイフンばかりをかばうミンメイへのいらだちをつのらせたあげく、「いったい何機落とせば敵は来なくなるんですかねえ。10万機ですか、100万機ですか!」と未沙に憎まれ口をたたいて腹いせしている。

カムジンの「すばやいやつがいる」というのは、その後の展開から考えてマックスのことをさしているものと思える。セリフの直前で、マックスが敵空戦ポッドを撃墜しているシーンがある。

ダイダロス艦首から発射されたミサイルに被弾し、ミリアに撃墜された輝のパラシュートがミリア機の退却場面で一瞬だけ見える。

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