第14話「グローバル・レポート」

セリフとト書き

[ オープニング ]

[ グローバル艦長が艦長室で、地球統合軍総司令部に向けた報告をレコーダーに吹きこんでいる ]
グローバル: 1年ちかくにもおよぶマクロスの航海により、われわれは貴重な情報を数多く得た。以下、そのすべてをわが地球統合軍に報告する。地球統合軍宇宙艦隊所属SDF−1マクロス艦長、ブルーノ・J.グローバル。

グローバル: あの進宙式当日、マクロスおよびその周辺になにごとが起こったのか、その後、島もろとも消滅してしまったいま、地球ではその正確な経緯を知りえないと思う。とつぜんのマクロス主砲の轟音から、すべてははじまったのだ。

第1話「ブービー・トラップ」より。マクロス・ブリッジ ]
クローディア: な、なによ、これ!?
未沙: どうしたの!?
クローディア: 見て、修復前のシステムが勝手に動きだしたの。
[ 警報が鳴る ]
クローディア: あっ、たいへんだわ。発射態勢に入った!
[ マクロスの主砲が自動的に稼働する。グローバル艦長がブリッジにあがってくる。入口で天井の低いドアに頭をぶつける ]
グローバル: どわっ。なにが起こったのだ!?
クローディア: 主砲が…、作動します!
[ マクロス、主砲発射。一撃でゼントラーディ軍の先導艦2隻を撃沈する。バルキリー隊、発進 ]
未沙: 本艦は現在、異星人と交戦中である。これは演習ではない。繰りかえす、これは演習ではない!

[ 地球統合軍とゼントラーディ軍の交戦 ]

グローバル: 万一、宇宙人と遭遇しても決してこちらから撃ってはならないという、前日の防衛会議の決定はみごとに裏切られた。マクロスは状況から判断するかぎり、敵対宇宙人の残していった巧妙な罠「ブービー・トラップ」である。

第2話「カウント・ダウン」より。南アタリア島市街戦。輝の複座式バルキリーがリガートを大破させる ]
輝: ふう。
[ リガートの後部ハッチがあいて、なかから巨大なゼントラーディ兵士が出てくる ]
輝: うわああああ!
[ ゼントラーディ兵士が一条機に近づいてくる ]

グローバル: 異星人の上陸部隊と交戦の結果、かれらの身長はわれわれ地球人の5、6倍の巨人族であることが判明した。これはマクロス艦内の大きさから推定した、統合軍本部の見解を裏づけるものである。

[ ゼントラーディ兵士、背後から撃たれて倒れる。フォッカー機がいる。バルキリー隊とリガート隊の市街戦 ]

グローバル: また、それに対抗するためつくられたバトロイドの実戦データとしても、たいへん貴重な資料が得られた。一方、本艦は重力制御システムを使用して離陸を試みるも、これに失敗。

[ マクロスの装甲部に異常な振動。ブリッジがかたむく ]
ブリッジ: ああっ!
グローバル: いったい、なにごとだ!
クローディア: わかりません。
未沙: ああ、艦長、前方を!
グローバル: どうした!?
[ マクロスの装甲を突きやぶって重力制御システムがつぎつぎと飛びだし、上方へ浮上してゆく ]
グローバル: なんだ、あれは?
クローディア: 重力制御システムのようです。
グローバル: 重力制御システム…、そんなバカな…。
[ マクロス、落下 ]

グローバル: 技術班の調査によれば、予期せぬ主砲発射がマクロス各部にさまざまな悪影響をあたえたとのこと。それは、フォールド・システムにもおよんでおり、マクロスおよび基地の島を冥王星軌道にもち運んだのち、システムは消滅し、この航海のそもそもの原因になってしまった。

第3話「スペース・フォールド」より。フォールド敢行。閃光とともに物体が二重写しになり、輪郭がゆがむ。南アタリア島、およびプロメテウス、ダイダロスもフォールド転移に巻きこまれる。マクロスと南アタリア島周辺が、とつぜん宇宙空間に出現する。直後にすべてが氷で覆われる。マクロス、南アタリア島市街地に落下 ]

グローバル: われわれは空母プロメテウス、強襲艦ダイダロスを急遽マクロスに係留。基地および島のもろもろの設備、それと、避難していた民間人5万数千人をシェルターごと艦内に収容。民間人は、収容施設敷地内に島の資材を使って街を復元。正常な市民生活を営みだした。これは長期宇宙旅行の際の貴重な資料となると思う。

グローバル: ところが、フォールド装置が消えたためエネルギー接続が不良となり、主砲が撃てないことがわかった。そのためには、トランス・フォーメーションをしなければならない。

第5話「トランス・フォーメーション」より ]
未沙: バルキリー隊、全機スクランブル。繰りかえす。バルキリー隊、全機スクランブル!
[ フォッカー、搭乗。プロメテウスからバルキリー隊が発進してゆく。バルキリー隊とリガート隊の交戦。フォッカー機、左旋回 ]
ブリッジ: [ 衝撃 ]ああ!
グローバル: うう!
[ グローバル艦長の帽子が脱げて、床に落ちる ]
グローバル: 本艦はこれより、トランス・フォーメーションを決行する。
[ トランス・フォーメーション開始。市街地の天井から巨大な柱が降りてくる ]
輝: うわああああ!
ミンメイ: あ、あ、きゃ〜!!
[ 地面に亀裂が生じ、ミンメイは裂けめに転落。かろうじて片手で壁面につかまり、落下をまぬがれる。マクロス、変形開始。いったん開いた防護壁から、車や資材が宇宙空間に放出されてゆく。落下物の下敷きになる人びと、押しつぶされるビル、電柱に衝突する車。重力は制御不能となって、すべての人や物が浮かびあがる ]
人びと: [ 口ぐちに ]うわ〜!!
[ マクロス、宇宙戦艦型から右舷に強襲揚陸艦ダイダロス、左舷に攻撃空母プロメテウスを擁した巨大ロボット型(強攻型)に変形する。マクロス、主砲ビーム発射。軸線上にいるリガート隊、ゼントラーディ軍の先行艦隊を殲滅 ]

グローバル: トランス・フォーメーションは市民にはたいへん評判が悪かったが、おかげで敵を撃退することができた。その後、改良をくわえ、二度とこんな被害が出ないような実施が可能になった。

第6話「ダイダロス・アタック」より。マクロスの主砲が前方に向けて稼働する ]

グローバル: また、土星リング上ではじめて敵に反撃に転じたときは、フォールド・システムの残存エネルギーを利用したピンポイント・バリア。さらにそれをダイダロスの艦首に集中誘導したダイダロス・アタックは、敵の巨大艦に有効な戦術となった。

[ マクロス船体にちいさな円形バリアが3つあらわれる。バリアはオペレータの操作により自由に移動できる。敵ミサイルが接近するが、着弾点にピンポイント・バリアがまわりこみ被弾しない ]
パナップ: ああん、間にあわない!
メイ: や〜ん、そっちはダメえ。
[ マクロス、右舷の強襲揚陸艦ダイダロスの艦首にピンポイント・バリアをはり、敵艦艦首に突っこませる。ダイダロスは敵艦の装甲をつき破り、司令室まで到達する。ダイダロスの船首部がひらくと、なかにはデストロイド・トマホーク、およびデストロイド・モンスターが配置されている ]
ゼリル: ああっ!!
[ デストロイド隊、ミサイル一斉射撃 ]
ゼリル: ぎゃ〜!!
[ ゼリル艦が内部から破壊されてゆく。マクロス、ダイダロスを引きぬいて待避。ゼリル艦爆発、撃沈 ]

グローバル: 現在、艦全体をカバーできるバリアの開発をいそがせている。

第7話「バイバイ・マルス」より。マクロス、火星に降下してくる。ダイダロスからデストロイド隊が発進する ]

グローバル: 8ヶ月め、物資補給のため火星のサラ基地にたち寄り、ここで敵の仕掛けた重力機雷に捕らわれてしまった。

[ マクロスの防衛部隊とカムジン部隊の交戦 ]

[ アイキャッチ ]

[ マクロス・ブリッジ ]
クローディア: デストロイド、第6、第8、第17戦隊壊滅。ほかにも損害多数。
グローバル: まてよ、これなら敵の罠をつぶせるかもしれん。
クローディア: どうやって、地面のなかを?
グローバル: サラ基地の反応炉だ、反応炉はサラ基地の地下ふかくにある。もしそれを爆発させれば…。
ヴァネッサ: 待ってください。[ シミュレーションをおこなう ]うまくいきそうです。
グローバル: よしっ、ただちに作戦開始。サラ基地の反応炉は早瀬くんに操作してもらおう!
クローディア: イエッサー。
[ 走る未沙。基地のエレベータに乗って地下へ降りてゆく。反応炉コントロール室でパネルを操作 ]
コンピュータ: 反応剤注入過剰。危険です、危険です。[ サイレンが鳴りはじめる ]保安システム、オールレッド。反応炉は暴走をはじめました。爆発臨界まで、あと15分です。総員待避、総員待避。

グローバル: 早瀬中尉の手で基地地下の反応炉を暴走させ、罠から脱出した。

[ 一条機、急上昇。基地爆破の衝撃から守るため、未沙を手で覆う。サラ基地爆発。爆発の衝撃波でリガートが破壊されてゆく。マクロス、重力制御が可能になり、浮上開始 ]

グローバル: どうも敵は、本艦を沈めることより、捕獲するのが目的のようだ。それだからこそ敵の強大な戦力のなかを、マクロスが長期にわたる逃走が可能であったとも考えられる。

第9話「ミス・マクロス」より ]
CMアナウンサーA: MBSマクロス放送局開局記念「ミス・マクロス・コンテスト」。

グローバル: 艦内で民間放送がはじまり、記念行事の「ミス・マクロス・コンテスト」がおこなわれた。

CMアナウンサーA: 応募総数400名のなかから書類選考で残った28名の美女が出場。最後に栄冠を勝ちとるのは誰か? 「ミス・マクロス・コンテスト」。われらの女王、選ぶのはあなた。

グローバル: 「ミス・マクロス」は、リン・ミンメイ嬢。

[ 優勝トロフィーをかかえてほほえむミンメイ ]

グローバル: 地球を目のあたりにしながら、敵艦隊に包囲され膠着状態をむかえる。このころになり、敵の攻撃に微妙な変化が出てくる。

[ ゼントラーディ軍とマクロスの交戦 ]

グローバル: これまで妨害をうけてきた通信が突如、解除された。ただちに統合軍本部へマクロスの消息を伝える。が、この直後のこと。

第10話「ブラインド・ゲーム」より ]
シャミー: 統合軍じゃないところから通信が入ってるんです。
グローバル: スピーカにながしてくれ。
シャミー: はいっ!
ゼントラーディ兵士A: …艦隊はゼントラーディの名のもとに、帰艦の降伏を命じる。さきほどの攻撃はただの威嚇にすぎない。沈められたくなければ、すみやかに降伏せよ。
クローディア: これ、敵の艦隊から?
ゼントラーディ兵士A: …この降伏勧告をうけいれるなら…、連続…。[ 雑音 ]
グローバル: もういい。

グローバル: 敵の解読能力の高さは驚異的ですらある。うかつな通信はできないということだ。

[ バクロレラの主砲ビームがマクロスのレーダー・システムを溶解させて、ブリッジ上部を貫通 ]

グローバル: レーダーを破壊され、早瀬未沙中尉はキャッツ・アイで照会作業に出ていった。

[ キャッツ・アイの背後からブリタイ艦がせまってくる。キャッツ・アイの前方から巨大な岩石が接近してくる。キャッツ・アイ、岩石に衝突する。大破したキャッツ・アイは、ゼントラーディ軍の回収船によって捕獲される。回収船がブリタイ艦のなかに入ってゆく。バーミリオン小隊、ガウォークからバトロイド形態に変形して、ブリタイ艦に潜入する。マックスと柿崎、援護射撃。格納庫にいる敵兵士たちを撃退する。ブリタイが上方から飛びおりてきて、柿崎機の頭部をたたきつぶす ]
ブリタイ: うわあああ!

グローバル: 早瀬中尉以下、一条少尉、ジーナス、柿崎伍長の計4名は敵艦に拉致され、はるばるゼントラーディ中枢部まで連れてゆかれ、敵の尋問をうけた。その後かれらは、奇跡の生還をなしとげ、驚くべき事実をわれわれは知ることができた。その模様は報告者自身の口から語ってもらう。

第11話「ファースト・コンタクト」より。ブリタイ艦会見室。ボドル・ザーが正面にあらわれる。ブリタイ、エキセドル、敬礼して全員着席する ]
ボドル・ザー: わたしはゼントラーディ軍第118基幹艦隊司令長官ボドル・ザーだ。おまえたちに訊ねたいことがある。
未沙: 言葉がわかる。
輝: どうなってんだ。
エキセドル: 閣下。感応翻訳装置はうまく作動しているようです。
ボドル・ザー: よし。おまえたちはいつから監察軍と接触をしたのだ。
未沙: 「監察軍」?
柿崎: そんな軍隊ありましたっけ、隊長?
輝: 俺だって、軍に入ったばっかりだから知らないよ。
エキセドル: 軍に入ったばかり!
ブリタイ: 軍に入る前はいったいなにをしていたんだ。
柿崎: なにって、民間人だけど。
ブリタイ: 「民間人」!
ボドル・ザー: 民間人とはなんなのだ。
輝: 戦争に行かない人間のことだよ。
ボドル・ザー: 戦争をしない人間だと。
エキセドル: ば、ばかな。宇宙は戦いで満ちあふれ、戦いあるところにこそ命があるはずだ。
未沙: [ 独白 ]「戦いあるところにこそ命がある」。
ボドル・ザー: んん、どうやら質問をかえる必要がありそうだな。きさまらの船に戦争をしない人間がほんとうにいるのか? そしてなぜ男と女が、一緒にいられるのだ。
柿崎: 男と女が一緒にいて、なに…。
未沙: [ 制止する ]柿崎くん。これ以上、質問にこたえるつもりはありません。
ボドル・ザー: うん? どうやらおまえが指揮官か。
未沙: うっ…。
ボドル・ザー: ふん、おまえたちは自分らの立場がわかっておらんようだ。
[ ボドル・ザーが右手で合図すると、テーブルのまわりに基幹艦隊が映しだされる ]
ボドル・ザー: われわれには、おまえたちの船や惑星を一瞬にして滅ぼすだけの戦力があるのだ。
未沙: ああ…。
輝: ああ。
ボドル・ザー: 見るがよい、あの星を。
[ 基幹艦隊がある惑星を砲撃する。一瞬で惑星はクレーターだけの星にかわる。驚いて声も出ない地球人3名 ]
未沙: なんてことを…!
ボドル・ザー: ふっふふふ。おまえたちの惑星がいまの星のようになってもよいのかな?
未沙: それは…、ん。
ボドル・ザー: どうした。
未沙: [ 独白 ]おかしいわ。これだけの力があるのに、なんでいままでマクロスや地球を全面攻撃してこないのかしら…?
ボドル・ザー: もういちど訊ねる。民間人は実在するのか。そして男と女が、どうしておなじ船にいられるのだ。
未沙: [ 独白 ]民間人、男と女…。はっ、あたしたちには、かれらの持っていないなにかがあるのかもしれない。
ボドル・ザー: こたえねば、おまえたちの船や惑星を滅ぼしてやる。
未沙: できるものならやってごらんなさい。
ボドル・ザー: なんだと?
輝: 中尉!
未沙: [ 輝を見て ]あたしにまかせて。[ ボドル・ザーに向かって ]あたしたちには、あなたがたの知らない特別な力があります!
ボドル・ザー: だまれっ!
[ ボドル・ザー、テーブルを手でたたく。衝撃で3名はよろめく ]
未沙: うっ!
輝: うわっは!
柿崎: うわっ!
[ ボドル・ザー、未沙に右手をのばす ]
輝: 中尉!
未沙: ああ〜っ!
[ 未沙、ボドル・ザーの手に捕らえられる ]
柿崎: な、なにしやがるんだ。
ボドル・ザー: 動くな! ふふん、やわらかいな。こんなひよわなマイクローンがわれわれに逆らうとはな。
[ ボドル・ザー、未沙を顔の前に引きよせ ]
ボドル・ザー: なぜわざわざマイクローンになったのだ。
未沙: ああ…。[ 口をつぐむ ]
ボドル・ザー: マイクローンとなったわけをいわねば殺す!
[ ボドル・ザー、未沙をにぎる手の力を強める ]
未沙: [ 苦しむ ]ん…、うっ!
輝: やめろ! 俺たちは生まれたときからこの身体だ。
ボドル・ザー: 生まれたときから。
エキセドル: おまえたちはいったい、どこから生まれるのだ?
輝: 母親に決まってるだろ!
コンダ: 「母親」?
柿崎: おんな親のことだよ。
エキセドル: 女から!? おまえたちは女から生まれたというのか?
ブリタイ: いったいどうやって?
柿崎: どうやって…。そんなことも知らないのかよ。男と女が愛しあえば、子どもができるんだよ。
ブリタイ: 「愛しあう」。どうやるんだ?
柿崎: キスしたり、抱きあったり。
ボドル・ザー: それでマイクローンが生まれるというのか。[ 輝と柿崎に ]そこのふたり、キスというものをやってみろ!
輝: 冗談じゃない、男どうしでできるかよ!
ボドル・ザー: やらねばおまえたちもにぎりつぶしてやる。
未沙: 待って! あたしがやります。
ボドル・ザー: おまえが? よかろう。
[ ボドル・ザー、未沙を卓上にもどす ]
未沙: [ ふらつく ]ああ…。
[ 未沙、輝に近づく ]
未沙: 一条少尉、あたしにキスをして。
輝: ええ!?
未沙: [ 小声で ]これは敵の反応を見るチャンスなのよ。
輝: [ 小声で ]だったら柿崎とでもしてくれよ。
未沙: ん。
[ 未沙、柿崎をすこし見て ]
未沙: [ 小声で ]あなたのほうがまだマシよ。
輝: [ 小声で ]そんなこといっても…。
ボドル・ザー: はやくしろ!
未沙: これは命令よ、はやく!
輝: ん、わかったよっ。
未沙: [ 輝のほうに一歩近づくとともに、ボドル・ザーを見て ]やります。
ボドル・ザー: うむ。
[ 未沙、眼をとじる ]
輝: [ 独白 ]ごめんよ、ミンメイ。
[ 輝と未沙、くちづけする。驚愕するゼントラーディ側 ]
ボドル・ザー: おおおっ…!!
青い風: あああっ…!!
ボドル・ザー: プロトカルチャー!
輝: プロトカルチャー?
未沙: プロトカルチャー?
輝: どうなってんだ?
ボドル・ザー: うう、誰か、この者たちをさっさと連れだせえ!

グローバル: かれらゼントラーディ人はいったいなにを恐れたのか。真空中でも短時間であれば耐えられるような強靱な身体をもつ者までおりながら、また信じられないような敵艦隊の、あの途方もない力をもちながら。

[ マクロス艦長室。ノックの音 ]
グローバル: 入りたまえ。
未沙: コーヒーをお持ちしました。
グローバル: ありがとう。気がきくね。
未沙: あ、いいえ。
[ 未沙、コーヒーをそそぐ ]
グローバル: おお、もうこんな時間か。
未沙: あ…。
[ グローバル艦長、窓ぎわに行き、カーテンを開ける。夕日が差しこむ。未沙はグローバルの横にならんで夕日を見る ]
未沙: ああ、きれい…。あたし、こんな風景、もう二度と見られないと思ってました。
グローバル: じつは、わしもだよ。いまだからいえるのだが、わしはこの船に乗ると決まったときから、イヤな予感をもっていたんだ。この船が飛びたつと、われわれ、いや人類にとってなにかとりかえしがつかないことが起きるのではないかとねえ。
未沙: 予感は、あるていどあたりましたね。
グローバル: マクロスとはわれわれにとって、なんなのだろう…。
[ 夕日を見つめるグローバル艦長と未沙 ]

[ 次回予告 ]

ナレーター: グローバル艦長と未沙はアラスカの統合軍総司令部へ、輝とミンメイは横浜へとマクロスをあとにした。そして、それぞれの到着地では思いもかけぬ出来事が待ちうけていたのである。
次回、「超時空要塞マクロス」、「チャイナ・タウン」。

[ エンディング ]

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登場する人びと(登場回数)

一条輝(14)
リン・ミンメイ(14)
早瀬未沙(14)

ブルーノ・J.グローバル(13)
クローディア・ラサール(13)
ロイ・フォッカー(14) - セリフなし
柿崎速雄(7)
ヴァネッサ・レイアード(13)
キム・キャビロフ(11) - セリフなし
シャミー・ミリオム(12)

パナップ(3) - バリア・システム班
メイ(3) - バリア・システム班

ボドル・ザー(3)
ブリタイ・クリダニク(12)
エキセドル・フォルモ(11)
ゼリル(2)
ワレラ・ナンテス(6)- セリフなし
ロリー・ドセル(6) - セリフなし
コンダ・ブロムコ(6)

CMアナウンサーA - MBSマクロス放送局
ゼントラーディ兵士A - 降伏勧告

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スタッフ

脚本 … 松崎健一
絵コンテ … 石黒昇
演出 … 石黒昇
メカ作監 … 板野一郎
キャラ作監 … 美樹本晴彦
動画作監 … 藤高栄光 宮崎葉月

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ノート

第1〜13話の場面を編集・再構成したものを中心に、若干のあたらしい場面をつけくわえた総集編。グローバル艦長が地球統合軍総司令部あてに、これまでの経緯を報告、説明するためにレコーダーに口頭で記録をとる、という形式をとっている。新規アテレコはグローバル艦長と未沙のみ。

テレビ放送の全36話は、つぎの3つの部分にわかれている。
第1部 第1〜14話 帰還編
第2部 第15〜27話 追放・決戦編
第3部 第28〜36話 戦後編
逼迫した番組制作のスケジュールの都合により本話が総集編になったようだが、フォールド事故から地球帰還をはたすまでを描いた第1部が終了したことで、いちおう総集編を挿入する大義名分はある。

これまで謎だったマクロス地球発進時の重力制御システムの離脱、超時空航行の失敗とフォールド・システムの消失にたいして、マクロス技術班が調査の上、結論づけた「思いがけない主砲ビーム発射(第1話「ブービー・トラップ」)がマクロス各部に悪影響をおよぼした」という見解がはじめてあかされる。

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