第3話「スペース・フォールド」

セリフとト書き

[ オープニング ]

ナレーター: 西暦2009年、人類は10年前、宇宙より落下した異星の宇宙船を巨大戦艦マクロスとしてよみがえらせた。しかし進宙式当日、異星人の仕掛けた自動防衛システムがはたらき、マクロスの主砲ビームは正体不明の異星宇宙戦艦を撃破、交戦状態に突入した。
一方、進宙式典を見にきた少女リン・ミンメイと、民間パイロット一条輝は戦いに巻きこまれてしまった。
そしていま、マクロスは宇宙へと浮上してゆく。

[ フォッカーのVF−1Sバルキリー、マクロスを追って上昇する ]
フォッカー: 輝! 輝! [ 応答なし ]あいつにはちょいと刺激が強すぎたかな。[ 通信スイッチを入れる ]こちらスカル・リーダー。南アタリア島にわすれものをひろいにもどる。マクロスの護衛はほかの連中にまかせてくれ。
未沙: なにをひろうんですか?
フォッカー: いやあ、バルキリーVT−102とそのパイロットを落っことしちまってな。
未沙: ああ、VT−102。そういえばあのパイロット、なんかヘンだったわ。
フォッカー: おほう、きみでもそう思うか。まあ、そのなんだ、ありゃ民間人だからな。
未沙: 民間人ですって!? ああ…。
キム: やだあ。
シャミー: ええっ、ウソ〜。

[ バルキリー隊と敵上陸部隊の市街戦は継続している ]
輝: [ 気をうしなっているところを眼がさめる ]ん、ん、ん、あ、ああ…。
ミンメイ: [ 気をうしなっている ]ん、んん…。
輝: [ 巨大なゼントラーディ兵士の死体を見て ]こういうの、女の子には見せたくないもんな。
[ 輝、機を発進させようとするが、ゼントラーディ兵士はバルキリーの足をつかんだまま絶命しており、機体は前のめりに倒れる ]
輝: [ おびえる ]ああ、ああ、ああ…。
ミンメイ: [ 気がつく ]ああん…。どうしたの?
輝: ああ、ああ…。
ミンメイ: ふるえているようだけど。なあに、どうしたの?
輝: 見ちゃダメだ!
ミンメイ: なんで、どうして!?
輝: 見るな!
[ フォッカー機の接近する音が聞こえる ]
輝: あ。
ミンメイ: あ。
フォッカー: お〜い、輝! いつまでモタモタやってるんだ。あ!? [ ゼントラーディ兵士の手が一条機の足をつかんでいるのを見る ]こっほほ。おまえ、こういうのに好かれんのか? 不運よのう。
輝: [ 人さし指を口にあてて ]しい〜。
[ フォッカー機のマニピュレータが一条機のコックを操作すると、機体から機首が分離する ]
輝: こんなのありい?
ミンメイ: どうなってんの!?
フォッカー: 便利だろう?
[ リガート隊が攻撃をしかけてくる。フォッカー機はバトロイドからガウォーク、さらにファイターに変形して攻撃を回避しながら戦線を離脱 ]
輝: [ 前方に接近してくるリガートに驚き ]うわあ!
ミンメイ: きゃっ!
[ フォッカー、リガートを破壊して離脱 ]

[ マクロス・ブリッジ ]
未沙: こちらコントロール。これより水平推力をかける。バルキリー隊収容準備。各機着艦ポジションへ。
パイロットA: こちらマウンテン3。着艦ラインに乗った。
未沙: 着艦OK。
[ バルキリー隊がつぎつぎ着艦する ]

[ マクロス・ブリッジ ]
グローバル: 早瀬くん、バルキリー隊の収容は終わったかね?
未沙: はい。[ パネルを操作して確認する ]残りはフォッカー少佐と、VT−102の民間人とかを残すだけです。
グローバル: フォッカーくんならば心配なかろう。ヴァネッサくん、アームド1、アームド2はどこにいる?
ヴァネッサ: ランデブー・ポイントに向かって減速中。20分後に接触する予定です。
グローバル: よろしい。クローディアくん、こちらは順調かね?
クローディア: 予定どおりです。
未沙: ああ、でも艦長、おかしいですね。
グローバル: んん?
未沙: 敵の艦隊はあれだけの攻撃を衛星軌道上からできるのに、なぜ撃ってこないんでしょうか?
グローバル: やはり気になるか。
未沙: ええ。
グローバル: ううむ。おもしろがっているのかもしれんな。
クローディア: ええ?
未沙: は? …そんな! おもしろがってるなんて。
グローバル: ちょっとそんな気がしただけだよ。ま、気にせんでくれ。
クローディア: はあ。
未沙: はあ。

[ 大気圏から宇宙に上昇してゆくフォッカー機 ]
輝: 冗談じゃない、マクロスなんかに行きませんよ。
フォッカー: ばかやろう! 島でその子を危険にさらしておくつもりか。それでよく男だっていえるなあ!
輝: んん…。
ミンメイ: あのう、島のシェルターにわたしの叔父と叔母がいるんですけど…。
フォッカー: シェルターなら安全だ。全面戦争になってもなあ。
ミンメイ: でも、やっぱり島に帰りたいんですけど。
フォッカー: 戦闘が終わったら、ちゃんとわたしが送ってさしあげよう。
輝: そのほうが、よっぽど心配です!
ミンメイ: はあ!?
フォッカー: ああ、いや、その、んんっ。こちらはスカル・リーダー。
未沙: わすれものは見つかりまして?
フォッカー: 敵におびえて、のたうちまわっておったわ!
輝: 誰が!
未沙: はは、これがその民間人ですか、どうりでなにも知らないわけね。
輝: なんです、このおばさん。
未沙: お、おば…。ああっ。
フォッカー: はははは。マクロスの航空管制オペレータさ。しかし、早瀬中尉も輝から見ればおばさんかあ。ふふふはははは。
未沙: フォッカー少佐! 民間人がVT−102に乗ってる理由、あとでゆっくり聞かせていただきます!
グローバル: [ やりとりを聞いて笑っていたが、未沙の視線を感じて姿勢をただす ]んんっ、ん。
フォッカー: おお、こわっ!
未沙: それから輝さん、あなたも…ただじゃおかないわよ!
輝: なんですか、あれ?
ミンメイ: あやまったほうがいいんじゃない? [ 小声で ]この手の人は恐いわよ。
フォッカー: 着艦するぞ! 指示、頼んますよ、おばはん!
未沙: [ くやしがる ]ああっ。[ ブリッジ、しのび笑い。未沙、こらえて ]了解。そちらも死なないていどに気をつけて。[ うしろを振りむき、ブリッジのメンバーを牽制する咳ばらい ]んんっ、んっ。
[ フォッカー、着艦する ]

[ ゼントラーディ軍の上陸部隊、撤収 ]
ゼントラーディ兵士A: リガート連隊の回収は順行中。
ブリタイ: 半数は無事だな。
エキセドル: はい。
ブリタイ: 敵艦の動きは?
ゼントラーディ兵士B: 大気圏上層部をいぜん上昇中。さきほどの宇宙艦隊と合流する模様です。
エキセドル: どうします?
ブリタイ: んん。撃ちおとすのは簡単だが、あの艦には興味がある。
エキセドル: このまま衛星軌道に出られては、フォールドして逃げられてしまう可能性が…。
ブリタイ: ん、わかった。合流前に牽制攻撃をかける必要があるな。全艦砲撃準備。
[ ゼントラーディ艦隊の砲門がひらく ]

[ マクロス内部。フォッカーの運転する車に輝とミンメイが乗っている ]
輝: どうして、あんな殺しあいをするんですか?
フォッカー: それが戦争さ。
輝: 俺、軍隊ってやつはどうも…。
フォッカー: おまえだって撃ったじゃないか。
輝: [ 思いだしながら独白 ]まさか、あんなのが乗ってるなんて…。[ 口に出して ]あんなのが…。
ミンメイ: ねえ、あんなのって? なに?
輝: いやっ…。
フォッカー: そらよっ。[ きゅうにハンドルを右に切る ]
[ 車が急停車する。輝とミンメイ、後部座席でくずれおちる ]
輝: うっ!
ミンメイ: きゃっ!
フォッカー: ええい、着いたあ。
輝: 先輩、ひどいじゃないですか!
ミンメイ: [ 起きあがって ]ああん。
[ 格納庫。明かりがつくと、輝の愛機ファンレーサーが照らしだされる ]
輝: ああ! せんぱ〜い! [ フォッカーの手をとって ]うわはは、ありがと先輩! うはっ。
フォッカー: どわっ、はは。いやあ、なに、こういうものを戦場にほっぽっとかれたんじゃ迷惑だからな。ああ、ま、かたづけておいたんだ。
輝: わあ。
ミンメイ: これ、今朝の航空ショーのときのよね。
クローディア: [ 艦内放送 ]アームド1、アームド2、ランデブー終了。ドッキング態勢に入ります。各員、第一非常配置。
フォッカー: ほんじゃ、俺は仕事があるから。[ 車に飛びのる ]おまえらはここを動くな。ウロチョロすると迷子になるぞ。なんせこの艦は、バカでっかいからな。
輝: [ あたりを見まわす ]はあ〜。
ミンメイ: はあ〜。
[ フォッカー、去る ]

[ マクロス・ブリッジ ]
ヴァネッサ: ドッキング・ラインに乗りました。

[ ブリタイ艦ブリッジ ]
ゼントラーディ兵士C: 敵艦隊、合流の模様です。
ブリタイ: よろしい。敵艦隊と戦艦のあいだにビームを撃て。戦艦にあてなければ、小型艦は撃破してもかまわん。
ゼントラーディ兵士D: 了解。これより攻撃を開始する。目標は敵艦隊。戦艦は目標からはずす。

[ アイキャッチ ]

[ ゼントラーディ軍の砲撃開始 ]
ブリッジ: ああっ!
[ 地球統合宇宙軍の宇宙戦艦がつぎつぎに撃沈。閃光と衝撃、つづいて戦艦の残骸がマクロスに向かってくる ]
ブリッジ: うわあ!
グローバル: 攻撃かっ。
ヴァネッサ: はい。攻撃は前回とおなじ衛星軌道上から。距離1万2000キロです。
未沙: アームド1、およびミランダ、アキシマの2隻、撃破されました。
グローバル: まとめて3隻もか。本艦の損傷は?
シャミー: 直撃弾はありません。
キム: 各セクション異常なし。
グローバル: 本艦の位置は。
ヴァネッサ: はい、ほぼ地球を1周して、南アタリア島前方800キロ、高度は120キロとなっています。
グローバル: クローディアくん、進路を南アタリア島に着陸すると見せかけて空間転移に入る。
クローディア: フォールド・システムを? まだテストもすんでいません。
グローバル: たしかにリスクは大きい。しかし、ここでとどまっていればやられるだけだ!
未沙: はっ、でも異星人のシステムですよ?
グローバル: やってもみないであきらめられては困るな。空間転移! ああ、いや、フォールド・システム・スタンバイ。フォールド目標、月の裏側。座標チェック、島の上空でフォールドする。
クローディア: ええ!? 地表近くでですか?
グローバル: 敵の意表をつくのだ。
クローディア: そ、そんな…。統合軍本部に、許可をとらないでもいいんですか?
グローバル: いまは非常時だ。連絡は月からとればよい!
クローディア: しかし…!
グローバル: きみっ! これは命令だよ!
クローディア: [ 納得しかねるが ]イエッサー。フォールド・システム・スタンバイ。全艦非常配置。動力システム、チェック。オール・グリーン、カラー収束。
[ マクロスの反動エンジンが稼働しはじめる ]
クローディア: 全艦非常配置。全艦非常配置。これは演習ではない。本艦は5分後にフォールド航行を実施する。

[ 南アタリア島の避難シェルター内 ]
男A: [ 食事をしながら ]ほう、静かになったようですなあ。
町会長: んん、もう終わったんやろか。
男A: まったく、えらい祭りさわぎですなあ。
町会長: どえらい進水式や。このぶんやと、上はそうとう荒れてまっせ。
男A: わしらの店、無事かねえ。
町会長: さいなあ。
よっちゃん: お姉ちゃん、どうしちゃったのかなあ。帰ってこないけど。
よっちゃん父: なにも逃げるところはここだけじゃないんだから、心配することなんかないのさ。
ミンメイ叔父: あれでな、けっこうな、ちょっかりしてるからな、あの子はな。
よっちゃん: ふーん。
[ マクロス、地球に降下する ]

[ マクロス艦内の格納庫。輝、ファンレーサーの整備をしている ]
ミンメイ: ほんとうに出ていくの?
輝: きみだって帰りたいんだろ?
ミンメイ: でも…。
輝: べつに無理にとは申しませんよ。
シャミー: [ 艦内放送 ]艦内、フォールド態勢。フォールド3分前。
ミンメイ: なにかしら?
輝: さあ、出てくんだから関係ないって。
ミンメイ: これ、ひとり乗りでしょう?
輝: いいじゃない。さ、乗って。[ ミンメイをかかえあげて、ファンレーサーの操縦席に乗せる ]
ミンメイ: あ、うん。
輝: [ ヘルメットを取りだし ]これ、かぶって。
ミンメイ: うん!
輝: おたく、ヘルメットをまっすぐかぶれないの?
ミンメイ: あはっ!
[ 輝、格納庫の外部ハッチをあける。操縦席につく ]
輝: しっかりつかまって。
ミンメイ: どこに? [ 前方の計器類に覆いかぶさる ]
輝: うわっ、計器が見えない。
ミンメイ: あ、ごめんなさい。
[ ファンレーサー発進。直後にきりもみ状態になる ]
ミンメイ: きゃっ! [ 輝にしがみつく ]
輝: このぐらいで怖がってどうすんの?
[ 機体が安定する ]
輝: ほらね。
ミンメイ: ほんと、うふ。

[ マクロス・ブリッジ ]
クローディア: フォールド突入10秒前、9、8、7、6、5、4、3、2、1、ゼロ!
グローバル: フォールド突入!
[ 閃光とともに物体が二重写しになり、輪郭がゆがむ。南アタリア島、およびプロメテウス、ダイダロスもフォールド転移に巻きこまれる ]
人びと: [ 口ぐちに ]なんや、これは!?
[ 市街地に残存していたリガート、輝のファンレーサーも巻きこまれる ]
ブリッジ: ああっ! うっ!

[ ブリタイ艦ブリッジ ]
ブリタイ: な、なんだと?
エキセドル: 地表付近でフォールドするなどとは!
ブリタイ: そんなことができるのか?
エキセドル: わたしにもわかりません。
ブリタイ: ふむ、ただちにデフォールド・ポイントをさがしだせ。
ゼントラーディ兵士E: 了解!

[ マクロスと南アタリア島周辺が、とつぜん宇宙空間に出現する。直後にすべてが氷で覆われる ]
輝: おっ、おっ、おっ、わあ…。
ミンメイ: あ? ああ…。
[ 輝とミンメイ、無重力で体が浮きあがる ]

[ マクロス・ブリッジ。照明が消えている ]
グローバル: どうした?
クローディア: サブ・システムに切りかえます。
ヴァネッサ: 艦長、本艦の下方に物体があります。
グローバル: とうぜんだろう、ここは月の裏側だ。
ヴァネッサ: いえ、それがもっと小さいようで。いまスクリーンに出します。
グローバル: ん!
ヴァネッサ: あっ!
シャミー: 物体が近づいてきます。
グローバル: なに!?
シャミー: いいえ、本艦が降下しています。
クローディア: ああ!
未沙: ああ!
グローバル: クローディア、推進器全開いそげ。
クローディア: やっているんですが、反応ありません。非常事態。各員衝撃にそなえよ。
[ マクロス、南アタリア島市街地に落下。シェルター内では人が浮いている ]
町会長: わああああ、体が浮くがなあ〜。

[ 宇宙にただようファンレーサー。輝、ミンメイはコクピット内部から、キャノピーに着いた結露を手でぬぐう ]
ミンメイ: わあ、きれい。
輝: [ プロペラを操作するが無反応。独白 ]まいったなあ、プロペラは役にたたない。[ プロペラは氷結している ]ダメだな。こりゃやっぱり、ほんものの宇宙だ。
ミンメイ: ここ、宇宙?
輝: そう見える?
[ ファンレーサー、残骸や車に衝突する ]
輝: ああ!
ミンメイ: ああ!
輝: [ くしゃみ ]へっくしゅっ!
ミンメイ: お、ふふふ。[ 空気漏れの音が聞こえる ]なに、なんなの!?
輝: 目覚ましじゃないことはたしかだね。
ミンメイ: ああ。
輝: あははは。[ 独白 ]エアが漏れてるなんて、いえないもんな。
[ 輝、空気が漏れている亀裂に紙をつめる ]
ミンメイ: もどろうよ…。
輝: まあまあ、あわてないで。[ 独白 ]ブースターが使えればいいけど。
[ スイッチを入れる ]
輝: 行くよ!
ミンメイ: うん。
[ ブースター点火 ]
輝: 動くぞ、行けそうだ。ところで、マクロスはどこだ。[ 発見する ]ようし!
[ 向かおうとした直後に障害物に衝突する ]
輝: ううう!
ミンメイ: あああ!
輝: おしっ。
[ 輝、ブースターのONとOFFをこまかく切りかえ、操縦する。一方、マクロスはいっしょにフォールドしてきた残存リガード隊と交戦中。ファンレーサーはマクロスの着艦ハッチ付近まで来る ]
輝: まずったあ、入れないんだ。
ミンメイ: ええっ!? [ 戦闘の衝撃 ]ああ!
[ 撃墜されたリガート1機がマクロスの装甲に激突。装甲が破られ、穴があく ]
輝: しめた!
[ 輝はすばやくブースターを点火させ、ファンレーサーは穴に飛びこむ。直後にマクロスの防壁がおりて、ファンレーサーの尾翼を切断して閉まる。ファンレーサーは逆さむきのままコードに引っかかり停止。輝とミンメイ、脱出する ]
輝: はあ、はあ、ああ!
ミンメイ: はあ、はあ。
[ 輝とミンメイ、おたがいに顔を見あわせる ]
輝: わっはははは…!
ミンメイ: あははは…!

[ マクロス・ブリッジ ]
未沙: 敵の残存部隊は殲滅した模様です。
グローバル: う〜む。シェルターの避難民は?
キム: 収容中です。さいわい死傷者はすくないようです。
グローバル: それはよかった。早瀬くん、統合軍本部との連絡は?
未沙: はい、シャミー。
シャミー: なんども呼びだしているんですけど…。
グローバル: 反応なしか。故障ではないのか?
ヴァネッサ: いいえ。あの…、現在地が…。
グローバル: わかったのか! どこだ?
ヴァネッサ: 冥王星軌道のやや内側かと…。
グローバル: んん、なに!?
未沙: 冥王星!? そんな…。
クローディア: だから、フォールドなんて。
未沙: [ 不安そうに ]艦長。
キム: 艦長。
シャミー: 艦長。
グローバル: まあまあまあ、待て。心配するな。ここまで来れたんだから、もういちどフォールドすれば、かならず帰れる。
未沙: ああ、ほんとうですか…?
[ 艦長の直通回線電話が鳴る ]
グローバル: [ 受話器をとって ]なんだ? ん? しかし…! わかった…。いま行く。
未沙: 艦長!
グローバル: フォールド・システムが、消滅したそうだ。
ブリッジ: ええっ!?
未沙: 消滅? そんな…。
[ グローバル、ブリッジを出てゆく ]
クローディア: なくなった!?
シャミー: ねえ、どうして?
キム: それじゃ、帰れないじゃない…。
[ キムとシャミー、抱きあって泣く ]
グローバル: [ ブリッジを出てから、パイプに火をつけて ] 長い旅になりそうだなあ…。

[ 次回予告 ]

ナレーター: たすかった喜びもつかの間、皮肉にも輝とミンメイが飛びこんだのは、広大なマクロスの閉鎖区画だった。ふたりの行方を知る者は誰ひとりいない。閉ざされた空間から抜けだす目算もたたぬまま、無情にも時は過ぎてゆく。
次回、「超時空要塞マクロス」、「リン・ミンメイ」。

[ エンディング ]

TOPHOME

登場する人びと(登場回数)

一条輝(3)
リン・ミンメイ(3)
早瀬未沙(3)

ブルーノ・J.グローバル(3)
クローディア・ラサール(3)
ロイ・フォッカー(3)
ヴァネッサ・レイアード(3)
キム・キャビロフ(3)
シャミー・ミリオム(3)

ブリタイ・クリダニク(3)
エキセドル・フォルモ(2)

町会長(2)
ミンメイ叔父(リン・シャオチン)(2)
ミンメイ叔母(リン・フェイチュン)(2) - セリフなし
よっちゃん(3)
よっちゃん父(2)
よっちゃん母(2) - セリフなし

男A - 町会長の相棒役
パイロットA - バルキリー・マウンテン3
ゼントラーディ兵士A
ゼントラーディ兵士B
ゼントラーディ兵士C
ゼントラーディ兵士D
ゼントラーディ兵士E

TOPHOME

スタッフ

脚本 … 松崎健一
絵コンテ … 山田勝久
演出 … 康村正一
原画 … スタープロ
動画 … スタープロ

TOPHOME

ノート

本話以降、エンディングはミンメイのアルバム・ヴァージョンとなる。

地球統合軍宇宙艦隊の合流ポイントに、攻撃空母プロメテウスと強襲揚陸艦ダイダロスが浮いているのは設定ミスだろう。2隻はこの時点では南アタリア島に停泊しており、やがてマクロスのフォールドに巻きこまれ島ごと冥王星軌道上にフォールドするはずだ。
第1話「ブービー・トラップ」で大破撃沈されたアームド1が、本話において再度撃沈されているのも奇妙だ。

輝が未沙にいいはなつ「なんです、このおばさん」は名ゼリフのひとつ。
放送回前半で未沙が意図的に「おばさん」あつかいされているのは、視聴者にミンメイがヒロインと思わせ、真のヒロインである未沙の姿をかくすための戦略とされる。

TOPHOME
inserted by FC2 system